2分でわかるアメリカ

2014/07/29萎むゴルフ市場

ディックス・スポーティング・グッズという全米でスポーツ店を展開する企業があります。先週決算を発表したのですが、その際に、560店舗で顧客にゴルフを指導していたコーチを全員解雇することを明らかにしました。PGAに属するプロのコーチです。背景にはアメリカのゴルフ市場の縮小があります。

なぜか。スポーツ経済が専門のウェブスター大学の教授は、タイガー・ウッズの影響があると指摘しています。教授はCNBCのインタビューの中で、タイガー・ウッズというスーパー・スターの登場でアメリカのゴルフがブームになったが、2009年に発覚したセックス・スキャンダル、さらに故障による最近の成績不振がゴルフ市場全体に影響していると指摘しています。

全米ゴルフ基金のまとめでは、2012年のアメリカのゴルフ人口は2530万人、2010年から下がり続けています。特に35歳以下の若いゴルフ人口の減少が目立ちます。また、ゴルフのコース場の数も減少傾向にあります。アメリカでは去年、14の新しいコースがオープンしましたが、一方で157のコースが閉鎖されました。

縮小傾向にあるものの、アメリカのゴルフ市場は依然として大きいとCNBCは伝えています。業界団体などの統計では、市場全体規模は750億ドル(約7兆5000億円)以上あるとしています。

日本のゴルフ人口は、アメリカの約3分の1。全体の人口も3分の1なので、ほぼ同じだと言えます。ただ、産業としてはアメリカが圧倒的に大きい。バブル時代に3兆円に達したゴルフ場やゴルフ用具などを含めた日本のゴルフ市場は、社用族の利用が激減し半減しました。レジャー白書など複数の統計がありますが、日本のゴルフ市場は約1兆5000億円の産業だと推定できます。アメリカの約5分の1しかありません。

タイガー・ウッズ効果の指摘が正しいとすると、アメリカに新たなスーパー・スターが登場すれば、市場が再び拡大する可能性があるということでしょうか。
 
 
[July 28, 2014]  No 0105584

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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