2分でわかるアメリカ

2010/07/27日本人にも影響しそう


ロサンゼルスで暮らしていると、「この街は非合法移民がいないと成り立たないのではないか」と感じることがあります。レストランの皿洗い、洗車機から出てきた車をタオルで拭くメキシカン、郊外の農場で果物の収穫をしている人、引っ越しのお手伝いなど、普段の生活で「いかにも非合法」とみられる人に出会います。

非合法なので銀行口座はありませんし、運転免許証もありません。でも、家族と生活していますし、車だって運転しているのです。

今年11月の中間選挙の最大の焦点に移民問題が急浮上しています。景気が悪いと雇用が減り、雇用が減ると国民の雇用が重視され、結果として移民問題が注目されるのです。オバマ大統領の移民に関する発言が増えています。

日本と違ってアメリカは移民の国。年に約100万人以上の外国人がアメリカ国籍を取得しています。さらにアメリカには、「グリーンカード」と呼ばれる永住権を持つ外国人、そして一定期間の滞在許可「ビザ」が与えられた外国人が合法的に滞在しています。

しかし、有効な滞在許可を持たず、非合法にアメリカで暮らす外国人が約1100万人いるとされています。ブッシュ前政権時代の2008年には、約37万人が不法滞在で国外退去となりました。その内5100人は、移民局による強制捜査で逮捕されました。  

これに対し、今年オバマ政権下の強制捜査で逮捕された非合法移民は、これまでに765人と極端に少なくなっています、オバマ政権は強制捜査ではなく、外国人を雇用している企業の検査を強化し、結果として今年は、ブッシュ政権時代より多い40万人が国外退去になるとみられています。

ビザ発給の審査や入国審査が厳しくなった」と知り合いの移民法専門の弁護士が話しています。「入国審査の際、特にH1Bと呼ばれる専門家ビザを持つ外国人の審査に時間がかかることがある」ということです。また、ビザ発給が認められないケースも増えているそうです。選挙の争点となった移民問題が、アメリカで仕事をする日本人や日本企業にも影響を及ぼすことが予想されます。

[July 26, 2010] No 010212

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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