2分でわかるアメリカ

2014/07/15モノが売れなくなった消費大国

アメリカは消費大国です。大量にモノを買って、大量に消費する。大量に売れるから、日本やヨーロッパと比較してもモノが安い。安いから、さらに売れる。このスパイラルが世界最大の経済大国アメリカを支えていました。しかし、モノが売れなくなったという話を最近よく耳にし、実際にモールを訪れると買い物客の少なさを感じます。

独立記念日を挟んだ3連休、そして先週末にモールや商店街を訪れました。夏のセールが真っ盛りでしたが、例年のような賑わいがありません。郊外のアウトレットはさすがに混んでいましたが、買い物袋を持った人が意外に少ない。小売店2店を経営している女性は「買い物客が減った上に、客単価も落ちた」と嘆いています。

今年第1四半期(1-3月)は、東海岸で悪天候が続いたため、小売りが大苦戦しました。4月以降は天候の問題がなくなり、雇用統計も強めであることなどから、エコノミストのほとんどが第2四半期以降に力強く回復すると予想していました。しかし、アメリカのGDPの約7割を占める個人消費が脆弱になっている可能性があります

The Wall Street Journalは先週、アメリカの小売店を訪れる客数(トラフィック)が減少傾向にあるとの記事を掲載しました。大手アパレルのGAPの6月の売上高は全てのブランドの合計で前年同月比2%減少、主力のGAPブランドは7%も減りました。ディスカウント・チェーンのファミリー・ダラー・ストアーズの3月から5月の3ヶ月間の売上高は前年同期比で1.8%減少しました。売上高が増加した大手小売店もありますが、アナリストの予想を下回る企業が少なくありません。

小売り世界最大のウォルマートのビル・サイモンCEOはCNBCに出演、売り上げが安定するには、半年から1年かかるとの見通しを示しました。ウォルマートの買い物客数は、5四半期連続で減少しています。

ネットで買い物をする人が確実に増えています。最近では、スマホやタブレットによる小売各社の売上が急増しています。小売店を訪れる人が減ったことと関係している可能性があります。しかし、まだネット経由の小売上高は全体の5%程度。天気の影響がないことを考えますと、やはりアメリカの景気は良くないと思います。モノを慎重に選んで少し買って、必要な分だけ消費する行動へのシフトがあるようにも思います。
 
 
[July 14, 2014]  No 0105574

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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