2分でわかるアメリカ

2014/07/02実感「米景気良くない」

2014年の下半期に入りました。ここにきて、アメリカ経済がそれほど強くないという見方がウォール街で広がっています。ただ、アメリカで普通に暮らしていると、年初からずっと弱めであると感じます。

サンタモニカのモンタナ通りという通りを毎日ウォーキングしているのですが、閉店する店舗が増えています。年初からポツリポツリ。昨日夕方数えたら10軒もありました。加えて閉店セールの老舗ブティックが1軒。モンタナ通りは高級ブティックやスパサロン、カフェなどで知られているのですが、オープンしたかと思えば、直に閉店する店舗が目立ちます。過去10年ではなかったことです。

モンタナだけではなく、閉店する店舗の増加はロサンゼルス全域で確認できます。「あの店が」と驚くこともあります。背景には家賃の高騰、売上の伸び悩みがあるとみられます。住宅バブル崩壊から7年、懐の深い内外の投資家が大量に不動産を買い占めた反動で、家賃が高騰しています。一方で、実需の住宅販売が伸びていません。

雇用が改善しているとされていますが、大手企業に勤める知人は「いつ首を切られるか」とビクビクしています。一年を通してレイオフが社内で話題になるからです。不安定な雇用に苦しんでいる人の話も頻繁に耳にします。

今週金曜日はアメリカの独立記念日。日本のJAFに相当するAAAによりますと、今年は前年比で1.9%増の4100万人が旅行するそうです。その8割がクルマでの旅行です。去年の独立記念日と比べ、ガソリンがガロン当たり平均20セント上昇していますが、旅行への影響は軽微だとAAAは見ています。ただ、旅行でつかうお金の総額は変わらず、もしくは微減、つまり節約モードになるとみられています。「独立記念日セール」を前倒しする店が去年以上に目立ちます。

先週発表された消費支出は、物価上昇分を除くとマイナスでした。物価上昇が消費者の心理に影響していることを示しています。地元のスーパーに行くと、あらゆるモノが高くなっていることがわかります。野菜、果物、乳製品、肉など。労働省のまとめでは、牛肉、鶏肉、豚肉の価格は2月から4%上昇しました。豚肉に限れば10%も上昇しました。食費とガソリンなどの上昇、不安定な雇用を背景に、消費を控えるというのは当然の行動と言えます。

サンタモニカを含めたロサンゼルスは全米では特殊なマーケットです。アメリカ全体の景気を計る上で、どこまで参考になるかは疑問です。しかし、体感した景況感が遅れて全体の経済指標に表れることが過去に何回もありました。「ウォール街がようやく気づいた」と個人的には思っています。
 
 
 [July 01, 2014]  No 0105565

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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