2分でわかるアメリカ

2010/07/23「こんなこと許されるのか」


GM(ゼネラル・モーターズ)が22日、アメリカの金融会社アメリクレジットを35億ドル(約3000億円)で買収すると発表しました。

「ちょっと待って」 「こんなこと許されるのか」

当然ですが、今回の買収が議論を呼んでいます。 
 
GMはまだ国有化されたまま。つまり、破たん後に受け取った公的資金約500億ドル(約4兆4000億円)のほんの一部しか返していません。あと450億ドル(約3兆9000億円)が納税者のお金です。これはGMの61%にあたります。

もうひとつ、今回買収するアメリクレジットは、低所得者向けの自動車ローンの会社です。つまり、自動車版サブプライムローン会社です。住宅のサブプライムローンに関連した商品がきっかけでリーマン・ブラザーズが破たん、世界的な金融危機に発展しました。

整理しますと、「GMは税金でサブプライムローン会社を買う」ということです。「そんなお金があったら早く返せ」。当然、納税者は怒ります。

GMはかつて、GMACという金融会社を傘下に持っていましたが、破たん前に売却しています。今回の買収は、販売をテコ入れするためです。GMは、多分批判を承知で、今回の買収を決めたとみられます。

GMは販売を立て直し、出来るだけ早く株式を再上場したいのです。順調に再上場が出来れば、納税者のお金を返せると考えているのでしょう。それにしても、モラルより実利を優先するとは、いかにもアメリカ人的な発想ですね。

[July 22, 2010] No 010210

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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