2分でわかるアメリカ

2014/06/19国境越える子供たち

島国に住む日本人にはピンとこないと思いますが、アメリカにとって違法に国境を越える移民は永遠のテーマです。特に、カリフォルニア、ニューメキシコ、アリゾナ、そしてテキサスなど、メキシコとの国境がある4つの州では、年に100万人のペースで不法移民が増えています。

不法移民といえば、メキシコをはじめとする中南米出身の男性、とこれまで相場が決まっていました。麻薬や売春など犯罪にも関係していました。しかし、状況が変わりました。いま問題になっているのが、子供の不法移民です。

テキサス州では、未成年者や妊婦が違法に国境を越えるケースが急増しています。一日に1000人のペースで身柄を拘束されています。成年男子は直に国外追放されますが、未成年者や妊婦は人道的な立場から直に追放されず、アメリカに残れる可能性があるからです。「若い不法移民にチャンスを与える」とのオバマ大統領の移民政策が間違って解釈されている部分もあります。噂が中南米各国で広がり、未成年者の不法移民の急増に繋がっています。

The New York Timesによりますと、未成年者や妊婦は一時的に拘束されますが、食事や医療サービスが提供されます。アメリカに住む家族に会うための短期滞在許可証が発行され、30日以内に移民裁判所に出頭するよう求められます。裁判所で「違法」と判断されれば、年齢を問わず国外追放されます。ただ、あまりにも数が多いため、実際には1年以上経過しても裁判所からの呼び出しは無い人がほとんどです。

去年10月から南の国境を渡った未成年者は約5万人。年末までに倍増する見通しです。テキサス州などを出て北に移動した不法移民も少なくなく、最近ではニューヨークでも深刻な社会問題になっています。メキシコ人だけではなく、グアテマラ、ホンジュラスなど国籍もさまざまです。

移民政策の危機」として共和党はオバマ政権を批判しています。オバマ政権の対応が後手後手に回っています。人道支援や人権保護の非営利団体も活発に動いています。外交政策で失敗が続くオバマ大統領にとって、「子供の不法移民」が新たな頭痛の種になっています。
 
 
[June 18, 2014]  No 0105556

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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