2分でわかるアメリカ

2014/06/05アメリカだけで売れるクルマ

アメリカで新車が売れています。自動車各社が3日に発表した5月の新車販売台数は前年同月比で11.3%増え160万6264台となりました。年率換算では1677万台に達し、2007年2月以来の高い水準でした。

GMとクライスラーが5月としては7年ぶりの高水準になったほか、日産自動車は同月としては過去最高を記録しました。フォードとトヨタも予想を上回りました。ただ、ヨーロッパのメーカーはまちまちで、ボルボ、フォルクスワーゲン、ジャガー、ミニは前年比でマイナスでした。全体として、日米韓の自動車メーカーが好調でした。

興味深いのは、車種別のランキングです。トップはフォードのFシリーズで6万8520台、3位はGM系シボレーのシルベラードで4万6648台、5位はクライスラー系ダッジのラム。3つのピックアップ・トラックがトップ5に入っています。日本車では、トヨタ・カムリが2位、ホンダ・アコードが4位など乗用車もしくはSUVです。

ピックアップ・トラックは、前半分は大型乗用車、後半分はトラックというクルマで、日本を含めたアジアやヨーロッパでは見かけません。アメリカだけで売れるマッチョなクルマです。古くは農場で使われていましたが、一部の州で税が割安になることも影響して急速に普及しました。中西部や南部では、マッチョさが人気で若者のステータス・シンボルになっています。テキサス州の高速道路で、ピックアップ・トラックのあまりの多さに驚いたことがあります。燃費が極端に悪く、個人的には、どこがいいのか理解できませんが。

アメリカ人のスタッフの助言でトヨタもピックアップ・トラックを導入しましたが、マッチョさでアメリカ車に劣るためか、乗用車ほどは売れていません。

トヨタは、北米本社をロサンゼルス郊外からテキサスのダラス郊外に今年の夏に引っ越します。オーガニック食品と電気自動車がブームのカリフォルニアから分厚いステーキとマッチョなピックアップ・トラックの本場テキサスへの引っ越し。トヨタも本当の意味でアメリカ化を考えているのかもしれません。
 
 
[June 04, 2014] No 0105546

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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