2分でわかるアメリカ

2014/05/22米不動産市場が足踏みする理由

FRBのイエレン議長が「住宅市場が弱い」と議会証言などで発言したことで、不動産市場の動向が注目されています。

アメリカの不動産市場は、サブプライムローンの問題などで2006年から2007年にピークをうちました。金融危機直後は低迷しましたが、2012年から不動産相場が急ピッチで上昇を続けました。エコノミストは「景気回復の牽引役」と呼びました。ところが、状況が変わってきました。なぜか。

答えは、不動産情報のZillowのデータにありました。

それによりますと、住宅価格が住宅ローン残高を下回る、いわゆる「アンダーウォーター」の状態にあるアメリカの家庭が、2012年には31.4%もありました。住宅価格の上昇により状況が改善、去年末には19.4%まで減少しました。ところが、今年3月末時点では18.8%と改善のペースが急減速しました。18.8%を人数にすると970万人になります。1000万人近い人がまだ「アンダーウォーター」の状態にあるということです。さらに、同じく1000万人近くの人が、家を売る経費を工面できず、売りたいのに売却できないでいることもわかりました。売却しても新しく買う家が高過ぎるという事情もあります。

The Wall Street Journalは「アンダーウォーターの人が動けないことが最近の住宅市場低迷の理由」と解説しています。

都市別にみると、アンダーウォーターのシェアはラスベガスが33.9%とトップでした。ただ、2012年はじめには約70%がアンダーウォーターだったことを考えますと、大幅に改善したことがわかります。一方、シカゴやタンパ(フロリダ州)は、それぞれ28.1%と27.1%だったのですが、2012年以降の改善度の悪さが目立ちます。地域によって、改善度に大きな差があることも特徴です。

アメリカの雇用市場は、金融危機以降に大幅に改善しました。足踏みの住宅市場が再び回復基調にもどったとき、はじめてアメリカの景気が本格回復したといえるのかもしれません。
 
 
 [May 21, 2014] No 0105537

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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