2分でわかるアメリカ

2014/05/21FRBの利上げ巡る思惑

ウォール街がいま最も注目しているのは、アメリカの中央銀行であるFRBがどのタイミングで利上げに踏みきるかということです。

つい最近までは、「来年はじめにも」という見方が多かったのですが、経済指標に強弱感が混在、FRBのイエレン議長が「住宅市場が弱い」と懸念を表明したことなどで、見方が揺れています。株式相場の方向感がなくなり、米国債利回りが低下、それを受けたドル相場の動きに変化の兆しがでています。背景には投資家やトレーダーの複雑な心理があります。量的緩和の縮小を継続し今年秋にも終了するが、次の「利上げはいつか」が読み切れないということです。

FEDウォッチャーとして知られるThe Wall Street Journalのジョン・ヒルセンラス記者が興味深い記事を書いています。FRB内で利上げの手法を模索しているが、簡単に答えがでそうにもないとしています。

ヒルセンラス記者の記事はこうです。これまでFRBは、オーバーナイトの預金をFRBに預託している銀行が互いに資金をやりとりするFF金利の管理制度を政策の中心にしてきました。具体的には、準備預金を増やしたり減らしたりしてFF金利を誘導してきました。しかし、金融危機以降にFRBが2兆6000億ドルもの準備預金を供給したため、速やかに吸収することが難しくなっています。従来のやり方では、利上げが困難になってきたということです。

このため、FRBは一般にはあまり知られていない準備預金に対する金利やリバースレポ金利をFF金利に変わる新たな指標金利にする可能性があるが、結論が出ていないとヒルセンラス記者は解説しています。関係者は来年まで利上げがないとみていて、FRBにはまだ時間があると締めくくっています。

FRB が金融政策を決めるFOMCの前回の会合(4月29-30日)では、利上げの方法を巡って白熱した議論があったと伝えられています。その議事録が21日水曜日に発表されます。ウォール街の注目がいつになく高まっています。
 
 
[May 20, 2014] No 0105536

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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