2分でわかるアメリカ

2014/05/13どうなる米株式相場

週明け12日のニューヨーク株式相場は高くはじまりました。主要企業の決算が一段落、東部2地域の住民投票後のウクライナが比較的安定していることが背景とされています。しかし、このまま上昇が続くと考える投資家はいません。

「マーケットで荒いローテーションが起こっている」と週末のThe Wall Street Journalが報じました。今年はじめまで相場を牽引していたバイオ銘柄やネット関連銘柄が高値から25%下落。堅調だった小型株も売られています。反面、公共株や通信株など比較的な安全とされ、配当が高い銘柄がこのところ買われています。ダウは先週金曜日に過去最高値を更新しましたが、年初から0.04%しか上がっていません

The Wall Street Journalは、過去のローテーションでは2つのパターンがあったとしています。売りが市場全体に広がるパターン。もう一つは全体に広がらず、一部の銘柄だけが売られるパターンです。過去を詳しく分析したところ、今回のローテーションは幅広い銘柄に悪い影響を与えるが、過去ほどは売り込まれないと多くのアナリストらがみていると伝えました。週末のThe Wall Street Journalはまた、歴史が浅いテクノロジー株のバリュエーションはまだ高いとする解説記事を掲載しました。

ニューヨーク株式市場にはいま、「モメンタム株」と呼ばれるバイオ銘柄やネット銘柄に代表される高バリュエーション株の下げがいつ止まるのか、そして、米国債の利回りの下げがいつ底を打つのかの2つの大きな疑問があります。モメンタム株が上げに転じても、直に売られ、強い経済指標が発表されても米国債利回りが上昇しなくなっています。今年第1四半期と比べ明らかに異なり、その傾向が5月に入り一段と強まっています。

「景気は回復基調にあり、株式も上昇する」との楽観的な見方がある一方で、「過去にない大幅な調整がある」との極端に悲観的な見方もあります。相場が近く調整、10%程度下がるとの見方がやや優勢ですが、誰もが確信を持てないでいます。心理を反映して、このところ売買高が低調になり、方向感がなくなっています。

株式市場と債券市場の動きは、外国為替市場にも影響しています。こう着した相場、レンジ内での推移が続いているのは、株式相場などの方向感の無さが影響している可能性があります。いずれも非常に難しい相場と言えます。

今週は、住民投票後のウクライナ情勢、そして13日火曜日の小売売上高と小売各社の決算が株式市場の材料です。CNBCは、株式相場がこれほど動かないのは22年ぶりだと伝えています。どちらに向かうのか。他の市場に影響するだけに、ニューヨーク株式相場の動きに注目が集まっています。
 
 
[May 12, 2014] No 0105530

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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