2分でわかるアメリカ

2014/05/06バフェット氏はロックスター?

ネブラスカ州オマハの人口は43万人。アメリカ中西部の地方都市で、朝は早く、夜も早いです。典型的な田舎街。普段は訪問者が少ないオマハですが、毎年5月の最初の土曜日が近づくと、急激に騒がしくなります。オマハが生んだ投資家、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイの年次総会(株主総会)が開かれるからです。

The Wall Street Journalによりますと、バークシャー・ハサウェイの1981年の年次総会に出席した株主はわずか12人でした。出席者は年々増え、1997年には1万人に達しました。会社の規模がどんどん大きくなり、同時に株主も増え続けました。今年の出席者は3万8000人。会場となったセンチュリー・リンク・センターはバスケット・ボールの試合で知られていますが、大規模なコンサートでも使われます。今年の年次総会は、大企業の株主総会というより、「ウォーレン・バフェットのコンサート」と表現した方がイメージしやすいと思います。それほど、特殊な総会です。

総会ではまず、ショート・ビデオが流されました。バークシャー・ハサウェイが持つ保険会社Geicoのキャラクターやバフェット氏がホッケーをするアニメなどが総会の開始を告げました。壇上の右側にはバフェット氏、取締役の席にはビル・ゲイツ氏が座り、会場の視線を集めました。筆頭株主となっているコカ・コーラの報酬に関する議題など決議事項を淡々とこなし、その後6時間に渡る質疑応答が続きました

今年の総会で注目される点がいくつかありました。まず、過去にない大型買収をする可能性があることがあきらかになりました。バークシャー・ハサウェイは490億ドル(約4兆9000億円)の現金を持っていますが、バフェット氏は500億ドル(約5兆円)規模の買収もありうるとの考えを示しました。200億ドル(約2兆円)を手元に残すとされているため、レバレッジを使った買収がある可能性があることを示唆しました。また、時価総額が3000億ドル(約30兆円)と巨大になったため、会社分割の質問が出ましたが、バフェット氏は否定しました。バフェット氏がアメリカ経済に楽観的な見方を示したこともニュースになりました。

オマハのダウンタウンにあるホテル、マグノリアの通常料金は一泊169ドルですが、先週末の料金は425ドル(約4万2500円)に跳ね上がったとThe Wall Street Journalが伝えました。バフェット氏が愛するステーキハウス「Gorat’s」は先週末だけで680キロのステーキを提供しました。通常の3倍の量です。総会の会場内では、バフェット氏のTシャツが人気だったそうです。Tシャツは、バークシャー・ハサウェイが買収したフルーツ・オブ・ザ・ルームのもの。バフェット氏はまさにロックスターですね。
 
 
 [May 05, 2014] No 0105525

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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