2分でわかるアメリカ

2014/05/02トヨタの衝撃 蕎麦屋からキャバクラまで

LAXと呼ばれるロサンゼルス国際空港からフリーウェイ(高速道路)405番を南に10分。右手にウェスターン・アベニューという出口「38B」がみえてきます。38Bを進むと、正面にTOYOTAと赤い文字で書かれた看板が目に入ります。通称「トヨタ村」。世界最大の自動車会社の世界最大の市場の本社です。130エーカーの広大な敷地に経営戦略、販売、マーケティング、ファイナンスなどの部門が入る低層階のビルが何棟もあります。

トヨタのアメリカ本社があるカリフォルニア州ロサンゼルス郊外のトーランス市。いま市全体が揺れています。トヨタが本社機能をテキサス州ダラス郊外に2016年末までに移転する計画を発表したからです。3000人がテキサスに移ります。関連企業を含めると相当数の雇用が奪われます

トヨタは、トーランスの学校やNPOなどへの寄付が多く、移転の発表は衝撃を持って受け止められました。地元メディアの主要なスポンサーでもあります。トヨタ本社に近い「都ハイブリッド・ホテル」は、トヨタの出張者が多く利用しています。稼働率が100%になる日も少なくありません。直ぐ隣のミツワという大型の日本食スーパーマーケットのフード・コートには、トヨタの従業員約100人が毎日ランチに訪れます。移転の影響は必至です。

トーランスには、ラーメン屋や蕎麦屋、居酒屋、さらには「ピアノバー」と呼ばれるキャバクラが多数あります。トヨタの従業員や出張者、さらには関連企業の社員で成り立っていると言っても過言ではないと思います。「トヨタの中堅幹部への接待が仕事のほとんど」という地元の部品会社があるという話を聞いたことがあります。

トーランスや周辺の不動産市場にも影響しそうです。地元メディアは、トーランスは供給が少なく、移転後は活性化する可能性があると伝えています。大規模な移動で一時的に需給のバランスが崩れることは必至とみられます。

トーランスとは対照的に、テキサス州ダラス郊外のプラノでは日本ブームが起こるかもしれません。移転する3000人の多くはアメリカ人ですが、日本人も多く含まれています。プラノに、大型の日本食スーパーや和食レストランが相次いでオープンするかもしれません。
 
 
 [May 01, 2014] No 0105523


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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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