2分でわかるアメリカ

2014/05/01‘Sell in May‘の根拠

ウォール街に「Sell in May」という格言があります。日本語に訳すと「5月に株を売れ」です。投資家は5月1日のメーデー前に株式を売却、資金をリスクが低い国債に移すべきだと説いています。

1年を「11月から4月」、そして「5月から10月」の2つに区分。前者が株式を買う人が多いため相場が上昇する半年、後者は株式が下がる半年になる傾向が高いとされています。1月にファンドなどの新規の資金が入り、相場が上昇。上昇が4ヶ月ぐらいたったところで、高値警戒感が出て利益を一旦確定する。年末にはボーナスや成功報酬を睨んで、ファンドマネジャーらが再び買い始めるという見方が背景にあります。ファンダメンタルズの要因ではなく、サイクルもしくは心理的な要因が大きそうです。

1950年以降のS&P500の動きでも確認できます。指数の年間の平均上昇率は4.37%ですが、5月からの6ヶ月間だけでみると1.28%の上昇率に留まっています。11月から4月までの6ヶ月間の平均上昇率は7.23%で、どの6ヶ月間よりも高くなっています。

ただ、格言どおりに株式相場が動かなかった年も少なくありません。去年2013年は、4月末から11月はじめの間に、S&P500は約10%も上がりました。一部の市場関係者は、今週の金曜日、5月2日に発表される雇用統計が強い内容となれば、株価を上方向に見直す可能性があるとして、今年も格言どおりにならない可能性があると指摘しています。一方で、「大幅な調整が近い」との予想を継続的に出しているアナリストもいて、見通しは分かれています。

もう一つ。今年はアメリカの中間選挙の年です。1928年以降の中間選挙の年の5月は平均で2%下落しています。CNBCが伝えました。今年の中間選挙では、オバマ大統領の支持率低下で民主党の苦戦が予想されています。

ニューヨーク株式相場と米国債相場は連動性が高く、米国債利回りと為替相場の間にも連動性があります。「Sell in May」の格言通りなるかどうかは、ドル円相場に影響する可能性があります。今日から5月です。
 
 
[April 30, 2014] No 0105522

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ