2分でわかるアメリカ

2014/04/18ツギハギの国

羽田空港へ都心からクルマで向かう際、ドライバーが混乱することが頻繁にあります。まず、道路標識が読みづらい。しかも複雑怪奇。次に来るのがタクシーの行列。空港までの一車線をタクシーが埋めています。ただでさえ狭いのに。空港へ進入する障害となっています。「危ない」と感じることもあります。空港から帰る際の道路標識はさらに複雑。まるでクイズ番組やリアリティ番組のよう。成田空港の駐車場も非常にわかりづらい。

東京の空港はなぜ複雑怪奇になったのか。拡張に拡張を重ねた結果ではないかと思います。近隣住民との問題、土地の取得、予算、官庁からの指示など多くの要素が影響して、長期的な視点で空港がデザインされていない。空の玄関で経験した不便さは日本の強い印象となります。

「複雑怪奇さ」は、外国人が多く宿泊する都内のホテルでもみられます。ホテルオークラ、帝国ホテル、ホテルニューオータニの御三家は、昭和の時代に拡張を重ねた結果、歪(いびつ)な構造になっています。本館と別館を結ぶ必要以上に長い廊下があり、エレベーターや階段を何度も利用しないとロビーから部屋に行けないことも少なくありません。いずれも古く、最近出来たリッツカールトン、ペニンシュラ、コンラッド、フォーシーズンズなどの外資の高級ホテルと比べ大きく見劣りします。サービスは一流ですが、部屋は昔のつくりで狭い。外資と比べ宿泊費が半分もしくはそれ以下であるのは仕方ないのかもしれません。

御三家以外のホテルも同様。品川駅に近い品川プリンスホテルは増築を重ねた結果、フロント業務や他のサービスカウンターがバラバラ、宿泊客は必ず迷います。品川プリンスには外国人の宿泊客が多いのですが、ホテルの敷地内で迷う外国からの客人を良く目にします。直ぐ隣の高輪プリンス、新高輪プリンス、さくらタワーの3つのホテル群も「ツギハギ」の影響が出ています。

スカイツリーから東京を見下ろすと、道路や建物に規則性がなく、乱立していることがよくわかります。エンパイアステートビルからみるニューヨークやエッフェル塔からみたパリは、道路が碁盤の目、もしくは、道路と建造物が規則的につくられているのとは対照的です。東京を設計するプロデューサーがいなかったのだと思います。表面だけではなく、地下鉄も複雑です。

2020年の東京五輪を控え、日本政府は観光立国を目指しています。長期的な視点を持った総合プロデューサーが必要ではないかと、東京に滞在する度に感じます。
 
 
 [April 17, 2014] No 0105514

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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