2分でわかるアメリカ

2014/04/17日本人の「手に持つ喜び」

ニューヨークのホテルに滞在した際に感じたことがあります。朝食を出すレストランやフロントに新聞が山積みされていました。The Wall Street Journal、The New York Times、そしてUSA Todayの3紙を無料で提供していたのですが、「紙の新聞」を読んでいる人を一度もみかけませんでした。大手ホテルチェーンであるマリオットは、これまで全ての宿泊客に新聞を届けていましたが、今年6月から希望する宿泊客だけに配ることを決めました。

ニューヨーク空港のラウンジにも新聞各紙が積まれていましたが、読んでいる人はゼロでした。紙の新聞を読む人がいなくなった、と強く感じました。

日本でも「新聞離れ」が進んでいますが、ホテルや電車、喫茶店で朝刊を広げるサラリーマンの姿を何度も目撃しました。デジタル版に切り替える人が増えたとはいえ、日本人は先進国で最も「紙の新聞」を読んでいるのではないかと思います。

本も同様です。アメリカでは大手書籍チェーンが相次いで姿を消しましたが、日本の本屋は混んでいます。絶版になった本を探して中古の本屋にも行ったのですが、こちらも凄い人。電子書籍がほとんど普及していないのではないか、とすら思いました。

書籍の他にDVDやCDをレンタル、販売する大手企業も健在。アメリカではDVDレンタルの大型店が何年も前に破たん、街から消えました。当然ながらCDを買う人はいません。しかし、日本ではDVDもCDもいまだに売れています。日本の音楽の売り上げがアメリカを抜いて世界一になったのですが、これは割高なCDの売り上げが大きく貢献したものです。

新聞、書籍、DVD、CD。時代の流れで欧米では消えつつある「モノ」が日本では売れているのはなぜか。空気みたいなモノではなく、「手に持つ喜び」を日本人は重視するということでしょうか。

きのうは、電子マネーと軽自動車の例をあげましたが、書籍やCDがまだ売れていることも一種のガラパゴス化ではないかと思います。
 
 
[April 16, 2014] No 0105513


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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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