2分でわかるアメリカ

2014/04/16進むガラパゴス化

爬虫類などが独自に進化したガラパゴス諸島をなぞって「日本はガラパゴス」、と言われて10年近く経ちます。ガラパゴス化が一段と進化している、と個人的に思います。

いま、東京に滞在しているのですが、法事のために戻った実家からスーツケースをホテル宛に送りました。宅配最大手の配達センターで、クレジットカードでの支払いが出来ませんでした。「電子マネーなら大丈夫」といわれました。

欧米では、ピザからコーヒーまでクレジットカードで支払えますし、ほとんどの人がそうしています。小売店への手数料が高いアメックスが使えない店はときどきありますが、ビザやマスターカードはどこでも使えます。日本はまだまだ「現金のみ」が多い。一方で電子マネーが独自に進化しました。

電子マネーで先行したソニーは、ユーロ(Euro)、ドル(Dollar)、円(Yen)の頭文字をとった電子マネー「EDY」を2000年代はじめに海外に売り込みました。しかし、欧米の規格承認がとれなかったことも影響して、採用されませんでした。香港の地下鉄などで採用された程度。一方、日本では、JRのSUICAやセブンイレブンのnanaco、イオンのWAON、IDなど電子マネーが幅広く普及しました。

アメリカでは、追加チャージできるギフトカードやデビットカードが幅広く使われています。ただ、主流はクレジットカード。「アメリカは電子マネー後進国」という指摘がありますが、 あえて使っていないと思います。電子マネーはお金を一旦預けるため企業側に有利。アメリカ人の嗜好には合わないとも言えます。NFCを搭載したスマートフォンが発売されていますが、電子マネーの普及に弾みがつくかどうかは不透明。もし普及したとしても、日本とは規格が別のものになりそうです。

軽自動車もガラパゴス化の一種。自動車の普及のため軽自動車の規格が生まれました。役割を終えたにもかかわらず、幅広く普及しています。実家の道路を走るクルマの3台に2台は軽自動車でした。欧米ではスペースの関係で、都会では小さめのクルマが増え、田舎では大型車が目立ちます。一方、日本では狭い都会で大型車が目立ち、余裕のある田舎では軽自動車ばかりが売れています。日本独自の規格「軽自動車」はTPPの協議でも取り上げられています

電子マネーと軽自動車は、「ガラケー」と並び「ガラパゴス日本」を象徴するもの。日本人が満足できれば、それはそれで良いのではないかと思います。世界では通用しませんが。
 
 
 [April 15, 2014] No 0105512

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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