2分でわかるアメリカ

2014/04/12「お金持ちの掟 29」日本の富豪はこんな人

失われた20年やガラパゴス化の影響もあって競争力が低下した日本ですが、お金持ちの数は意外にも増えています。船井総研の小林昇太郎氏は「5億〜10億円以上の金融資産を持つと推定できる日本人は3万4879人いる」と産經新聞に語っています。2年で8500人増えたそうです。

一方、フォーブスの世界長者番付2014年には世界で1645人が入りました。27人の日本人がランクインしました。2013年版と比べ5人増えました。フォーブスのランキングはドルベースであり、円相場が去年1年で約20%下落したことを考えますと、日本の超富裕層が大幅に増えたことが分かります。

フォーブスの長者番付の日本人トップは、全体42位のソフトバンクの孫正義氏です。45位のファーストリティリングの柳井正氏が続きます。金融資産の大半が株式であるため、リアルタイムのランキングでは2人の順位が頻繁に入れ替わりますが、2人は日本で断トツの富豪であることに変わりありません。2人ほどではありませんが、楽天の三木谷浩史氏、キーエンスの滝崎武光氏、SANKYOの毒島邦雄氏、森トラストの森章氏、セブン&アイ・ホールディングスの伊藤雅俊氏らがランキング上位の常連です。

フォーブス番付上位の日本人のほとんどは創業者。父が創業した「小郡商事」を引き継いだ柳井氏は例外中の例外で、IT、パチンコ、不動産、小売業、ゲームなどの創業者がずらりと並びます。創業者の富豪が多いのは昔から変わりません1950年代や1960年代の高額所得者のリストをみても、パナソニック創業者の松下幸之助氏、ブリヂストンの石橋正次郎氏、出光興産の出光佐三氏、大塚製薬の大塚武三郎氏ら多くの創業者が上位を占めています。ただ、昔や欧米と比べ、革新的な製品やサービスを提供する企業を創業し、資産を築いた現代の日本人が少ないのは残念です。

さらに、日本には伝統的に酒造元の資産家が多くいます。資産をもとに他の事業に展開し成功した日本人も少なくありません。これは日本独自のものですが、先代の資産を相続した資産家は欧米にも多くいます。

欧米の富裕層の多くは、個人の顔がよく見えます。豪華なライフスタイルもそうですが、多額の寄付など社会貢献でも知られています。比較して、日本の富裕層は一部を除いて顔が見えませんし、社会貢献もアメリカに比べて控えめである気がします。「お金持ちは悪」という社会通念が影響しているのでしょうか。
 

[April 11, 2014] No 0105510

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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