2分でわかるアメリカ

2014/04/08「告発者」への賞金53億円

2010年に公開された映画「The Whistle Blower(ホイッスル・ブローワー)」。UN平和部隊の一員としてボスニアに派遣されたアメリカ人警官が、売春組織にUNが深く関与していたことを告発する社会派ドラマです。主演のレイチェル・ワイズさんの演技が観客を引きつけ、6つの賞を受賞、9つの賞にノミーネートされました。題名のホイッスル・ブローワーは直訳するとホイッスルを吹く人、英語では内部告発者もしくは密告者を指します。

話は変わりますが、アメリカは税金の季節を迎えています。個人所得の申告期限は4月15日。全ての個人が所得を申告、納税する義務があります。毎年この時期になると、税金の話題が増えます。その中で、興味深いものがありました。日本の国税庁にあたるIRSが告発者に対し、去年5300万ドル(約53億円)の報奨金を支払ったというニュースです。

友人や近所の人で脱税をしている疑いある場合、その情報を提供した「告発者」にIRSが報奨金を支払うことを認めるという法律があります。2006年に成立したものです。具体的には、告発により個人から回収した税金、金利、罰金の合計が200万ドル(約2億円)を超える場合、その額の15%から30%程度が報奨金として支払われます。

IRSが先週、下院に提出した報告書によりますと、去年1年で告発により回収した税金は3億6700万ドル(約367億円)。122人の告発者に約15%が報奨金として支払われました。告発者一人当たり43万5000ドル(約4350万円)の計算。2012年の報奨金の合計額は倍以上の1億2500万ドル(125億円)もありました。

USAトゥデイなどによりますと、告発は何万件とあるものの、実際に報奨金が支払われるケースは稀だそうです 。それでも、報奨金が多額ということは、脱税をしている人が多いということだと思います。

「お尋ね者」の情報提供者に懸賞金を払うことはカウボーイの時代から行われてきました。アメリカの伝統的な手法です。その伝統がIRSにまで及んでいることは新鮮な発見でした。
 
 
[April 07, 2014] No 0105506


※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.12.15 更新トランプ大統領、任期全うできるか12月9日からの1週間は、トランプ大統領にとって就任以来で最悪の週だった。ワシントンポストのコラムニストが伝えました。確かに、トランプ大統領に打撃となるニュース…
  • 2018.12.14 更新アメリカのガラパゴス日本に帰国する際は非接触型ICカードを使っています。JR東日本のSuicaや首都圏の地下鉄やバスで利用できるPASMO。コンビニや自販機でも使えて便利だと思いま…
  • 2018.12.13 更新FRBの利上げけん制、最後のプッシュアメリカのトランプ大統領が11日、ロイターのインタビューを受けました。ウォール街で話題に。金融情報に強い通信社による単独インタビューのため、慎重に準備したことが…
  • 2018.12.12 更新ホワイトハウスの重要ポスト先週末まで、「ホームランド」をアマゾンプライム・ビデオで毎日観ました。2011年から放送されているCIAエージェントのテロリストとの戦いを描いたテレビドラマで8…
  • 2018.12.11 更新中国がiPhone差し止め、微妙なタイミング中国の福建省福州の裁判所が、特許侵害をめぐるクアルコムとの訴訟に関し、アップルのiPhoneの輸入と販売を差し止める仮処分を下したことが明らかになりました。クア…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ