2分でわかるアメリカ

2014/04/04アジア車はビッグに、欧米車は小さく

日本人は、国産車と外車を常に意識しています。比べてアメリカ人は、普通車と高級車とに分類、どこのクルマかは気にしていないように思います。それでも、日本と韓国をまとめてアジア車、ドイツやイギリスなどの高級車を欧州車と大雑把にくくることがあります。

クルマ社会のロサンゼルスで高速道路を走ると、韓国車の看板がやたら目につきます。K900と書いてあります。起亜自動車の大型セダン「K900」の宣伝。レクサスとジャガーに似た高級車です。

マツダが開発、起亜自動車が生産したフォード・フェスティバがアメリカに輸出されたのは1980年台半ばから後半。4シリンダーで58馬力。ベースプライスは5765ドルでした。「安くて壊れやすいクルマ」という印象を残しました。

あれから25年以上が経ち、起亜自動車のイメージは大きく変わりました。斬新なデザインと長期保証で人気があり、アメリカで「市民権」を得ました。そして今回、K900をアメリカに投入しました。重さはフェスティバの3倍、50%長く、馬力は7.2倍もあります。V8エンジンを搭載、最新のテクノロジーのてんこ盛りです。ベース価格は6万400ドル(約604万円)の高級車です。オプションをつけると日本円で700万円近くします。サイズはメルセデスのSやBMWの7シリーズとほぼ同じ、価格はメルセデスのEやBMW5シリーズと並びます。韓国では企業の幹部の社用車としてつかわれていますが、アメリカでは自家用車としてマーケティングしています。

乗り心地はいいのか。試乗したThe New York Timesの記者は、メルセデスやBMWの乗り心地ではなく、キャデラックやレクサスの乗り心地に近いと感想を書いています。道路に張り付くような走りではなく、フワフワした感じでしょうか。

同じ韓国のヒュンダイ車も大型車を投入しています。同様に、小型車で知られていたトヨタ、日産、ホンダのクルマもサイズが大きくなっています。反面、ドイツ車は小型車にシフト。メルセデスやBMW、アウディは、これまで小型車をアメリカ市場で販売しませんでした。しかし、去年あたりから小型車を積極的に投入しています。

メルセデスはAクラスやBクラスと同じシャーシを持つCLAをアメリカで去年発売。予想以上の反響があり、売れに売れています。BMWは小型車の1シリーズを、アウディはA3が好調です。大きい高級車のイメージが強かったドイツ車が、どんどん小さくなっていく印象を受けます。アメリカのGMとフォードも積極的に小型車を開発しています。

欧米車は小さく、アジア車は大型に。正反対のベクトルになっています。スマートフォン業界では、世界のシェア1位のサムスンを追う形で、アップルが大型スクリーンのiPhone6を今年9月に発表するとみられています。自動車業界と違う動きで興味深いです。
 
 
 [April 03, 2014] No 0105504

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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