2分でわかるアメリカ

2014/04/02問われる「リコール隠し」

日本のWOWOWが2009年に放送した「空飛ぶタイヤ」。池井戸潤氏の小説を題材にしたドラマですが、タイヤ脱落事故と大手自動車メーカーのリコール隠しを扱った作品です。自動車メーカーが有力なスポンサーである地上波ではタブーのテーマですが、有料放送でコマーシャルがないWOWOWが制作、業界で話題になりました。民放連のドラマ最優秀賞など数多くの賞を受賞しました。

「空飛ぶタイヤ」は三菱自動車のリコール隠しを題材にしたとされていますが、同様のリコール隠しが、いまアメリカで大きな社会問題になっています。

GMは、このところ大量リコールを何度も発表しています。先週金曜日にも160万台、さらに昨日31日も150万台を追加リコールしました。始動装置であるイグニション・スイッチに欠陥があるとして2005-2007年製の「シボレー・コバルト」を大量リコールした2月初めから、リコールされたGM車は630万台にものぼります。シボレー・コバルトの欠陥で事故を起こし死亡した人は13人。きのうのリコールはパワステの欠陥でした。

リコールされた車は、小型の「シボレー・コバルト」のほか、売れ筋のセダンからSUV、ピックアップトラック、さらに高級車のキャデラックまで幅広い車種に及びます。就任したばかりのメアリー・バーラCEOが安全問題を担当する担当者を指名、官僚的だった社内を徹底的に調査した結果が、前代未聞の大量リコールに発展しました。

「レガシー・コスト」と呼ばれる年金や過去の負の遺産が重荷となり、GMは2009年6月に破たんしました。アメリカ財務省が昨年12月までにGM株を全て売却し国有化が終了しましたが、今度はレガシー・コストではなく、最も重要な安全性が問われています。

欠陥、不具合を10年近く隠蔽していたのではないかとの批判が高まっていて、アメリカ連邦議会は、GMのバーラCEOを呼び、きょうと明日の2日間、徹底的に問いただす方針です。

GM、フォード、クライスラーのビッグスリーの車は、昔と比べ格段に良くなりました。燃費、デザインが大幅に改善され、販売が好調です。しかし、GMの構造改革ははじまったばかりです。
 
 
[April 01, 2014] No 0105502

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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