2分でわかるアメリカ

2014/03/28FRBにノーと言われたシティ

「まさか!」。取引が終了した26日のニューヨーク証券取引所でこんな驚きの声が聞こえたかもしれません。

FRBはアメリカ東部時間26日午後4時、銀行の健全性を審査した「ストレス・テスト」の結果を発表しました。金融危機から6年が経過、銀行の財務体質やリスク管理が大幅に改善したとされています。しかし、FRBは厳しい判断を下しました。大手銀行のシティグループを含め5行の資本計画を却下しました。25行の資本計画は承認しましたが、厳しい結果はサプライズでした。

FRBは、シティグループのリスク管理は改善したものの、世界各地で起こる可能性があるリスク・シナリオで、自行の収益がどの程度損なわれるのか査定しきれていないと指摘、シティが承認を求めていた、増配計画を却下しました。

シティは2012年にもFRBから資本計画を却下されています。当時のヴィクラム・パンディットCEOの辞任につながりました。後をついだマイケル・コーバットCEOは、効果的な経営や徹底した管理で知られていただけに、今回のストレス・テストの結果は大きな痛手となりました。コーバット氏は「FRBの判断に非常にがっかりしている」とのコメントを発表しました。

FRBはこのほか、自己資本比率の基準を満たさなかったユタ州のザイオン、そしてイギリスのHSBC、同じくイギリスのRBS(ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)、スペインのサンタンデール銀行の4つの外銀のアメリカ子会社の計画も承認しませんでした。イギリス政府が81%の株式を保有するRBSは、アメリカの子会社シチズンのIPOを計画していましたが、計画の練り直しが求められることになります。

今回のストレス・テストの対象にはなりませんでしたが、外銀4行の計画が却下されたことで、ヨーロッパの金融業界にも動揺が広がっています。特に、イギリスのバークレイスとドイチェバンクは、将来にテスト対象になる可能性がある、とFinancial Timesが伝えました。

27日のニューヨーク株式市場ではシティ株が急落しました。ウクライナ情勢、中国の減速懸念、FRBの利上げへの警戒などで地合いが悪化していますが、巨大銀行シティの不合格は新たな懸念材料となっています。
 
 
 [March 27, 2014] No 0105499

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.09.19 更新最高裁判事承認が注目される訳※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)「アニタ・ヒル事件」はセクハラ疑惑の先駆けと言われています。…
  • 2018.09.18 更新ITで稼いでアナログを買う※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(17日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカのメディア大手メレディスは16日、ニュース誌「タイム…
  • 2018.09.15 更新UHNWIでみる富の移動※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(10日更新)はこちら(マイページへログイン)米中の貿易戦争に内外の懸念が高まる中、トランプ大統領は強硬姿…
  • 2018.09.14 更新オクトーバーサプライズ※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(10日更新)はこちら(マイページへログイン)「October Surprise(オクトーバーサプライズ)…
  • 2018.09.13 更新ユーロ基軸通貨構想※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(10日更新)はこちら(マイページへログイン)EUのユンケル委員長がユーロの国際的役割を拡大させると主張し…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ