2分でわかるアメリカ

2014/03/13モデルXと反テスラ規制

BMW、メルセデス、アウディも悪くないが、予算に制限がなかったら、どの車を買うか。アンケート調査をアメリカでいま実施したら、「テスラ・モデルS」という答えが一番になると思います。カリフォルニアのシリコンバレーに拠点を置くテスラ・モーターズのセダンはそれほどホットな車です。

諸経費やオプションを含めると9万ドル(約900万円)するモデルSが飛ぶように売れています。去年は2万2477台を納車。利益率は13%と競合メーカーと比べ高く、テスラが目標とする25%のマージンが見えてきました。今年の販売は、海外販売が寄与して3倍超の7万台になる見通しです。高い株価も納得がいきます。

「自動車業界のアップル」といえるほどホットなテスラには新兵器もあります。業界誌や第4四半期の決算発表などから、テスラは新型SUVを開発中。「モデルX」と名付けられた新型車は、セダンの「モデルS」をベースにしたSUVとみられます。BMWのX6やポルシェ・カイエンなどの強力なライバルになる予感がします。予約には5000ドル(約50万円)のデポジットが必要ですが、早くも8000人超が予約しました。

ただ、テスラには懸念材料もあります。ニュージャージー州の運輸当局が11日、テスラのウェブサイトから直接販売する、いわゆる「ダイレクト・セールス」を禁止する規制案を賛成多数で決めました。アリゾナ州とテキサス州に続いて3つめの州。ウェブサイトではなく、ディーラーを通してしか販売してはいけないというルールです。オハイオ州などでは、ダイレクト・セールスをしたテスラに対し訴訟が起きています。

ダイレクト・セールスは時代の流れだと思いますが、安全面と登録面などで環境が追いついていないのかもしれません。ただ、サービスや商品に魅力があれば、消費者は手段を選ばず購入するはず。テスラの勢いは止まるとは思えません。過去10年で勢力図が大きく変わった家電業界と類似した動きが、自動車業界でも進みつつあります。
 
 
[March 12, 2014] No 0105488

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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