2分でわかるアメリカ

2014/03/112つのミステリー

週末は、幅広い分野のメディアに目を通すようにしています。個人的には、ウクライナを巡るアメリカをはじめとする西側メディアとロシアの視点があまりも違うことに驚きました。

ウクライナ情勢は依然として欧米メディアが大きく取りあげているのですが、今週末にトップで取り上げられたのはマレーシア航空が消息を絶ったニュースです。主要メディアは「ミステリー」だと報じました。

消息がわからない部分もミステリーですが、最も不思議なのは偽パスポートで搭乗した乗客が2人もいたことです。1人はオーストリア人のクリスティアン・コゼル氏、30歳。2年前にアジアを旅行中にパスポートの盗難届を出していて、現在オーストリアにいることが確認されました。もう1人はイタリア人のルイギ・マラルディ氏、37歳。1年前にタイのプーケットでパスポートが盗まれました。プーケットで安全が確認されました。

2人の搭乗券はマレーシア航空と共同運航する中国南方航空が発行したもので、プーケットの旅行代理店で購入されていました。2枚は連番でした。マレーシアの運輸大臣は、別に2人の身元も調査中であることを明らかにしています。身元不明の4人の搭乗者と海に消えたボーイング777。さらに、アメリカがFBI派遣を準備、中国の最高指導部が北京に近づこうとする不審な民間機を撃墜するよう緊急命令を出したと一部で伝えられるなど、不思議なことがあまりにも多い。まさに「事実は小説より奇なり」です。

もう一つのミステリー。米誌ニューズウィークが報じたバーチャル通貨ビットコインの考案者の真偽が話題を集めています。ニューズウィークのリア・グッドマン記者は、大分の別府で生まれ、子供の頃に両親とアメリカに渡った「サトシ・ナカモト」というロサンゼルス郊外のテンプルシティーに住む61歳の日系アメリカ人がビットコインの考案者だとする長編記事を書きました。復活したプリント版のカバー記事に採用されました。

ニューズウィークの報道を受け、地元のメディアが一斉にナカモト邸に集まりました。ナカモト氏は報道を全面否定、状況が一変しました。ニューズウィークは「記事と記者が正しいと確信している」と反論しましたが、真実はいまだわかっていません。ナカモト氏は、ランチをおごってくれる記者にだけ単独インタビューに応じ、近所の日本食レストランでフリーの寿司を食べています。インタビューの内容は微妙にずれています。

2つのミステリーはまだまだ続く予感がします。
 
 
[March 10, 2014] No 0105487

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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