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2014/01/08アップルはブラック企業?


日本のメディアで最近、「ブラック企業」という言葉を目にします。「黒字の会社」と誤解している人もいるのではないかと想像しますが、サービス残業、賃金不払い、パワーハラスメントなどの行為が横行する企業を指す日本語です。中国語では「血圧工場」と呼ぶそうです。Sweatshop(スウェットショップ)という英語が近いと思います。英語で要注意人物や団体を意味するBlack List(ブラックリスト)という言葉が日本語に近いですし、語源かもしれません。

年末年始の長い休暇から戻ったトレーダーで溢れる6日のウォール街で、「アメリカで最も優良とされる企業がブラックリストに入った」と話題になりました。

独立系の調査会社スタンドポイント・リサーチの創業者で調査部門の責任者であるロニー・モス氏は、アップル株を「保有」から「売り」に投資判断を引き下げました。理由はウォール街で過去に聞いたことがないものでした。「モラルがない」というものです。

モス氏はレポートの中で、「アップルは、銀行口座に1500億ドル(約15兆円)もの現金があるのに、従業員に時給2ドル(約200円)しか支払っていない。意味がわからない」と主張しています。

CNBCなどの経済メディアは、「アップルがブラックリストに入れられた」と無名のアナリストのレポートを大きく取り上げました。  

同じ理由でモス氏は、アマゾン・ドット・コムの投資判断を「売り」で据え置きました。「アマゾンが従業員を酷使する中、ジェフ・ベゾスCEOはガラパゴスでヨットを楽しんでいる」というのが理由です。さらに、「5億人の肺と血液を黒く染めている」としてタバコ大手フィリップ・モリスにも「売り」の投資判断をつけました。

前日のニューヨーク株式市場では、アップル株は小幅高、アマゾンは小幅安、フィリップ・モリスは小幅安でした。モス氏のレポートの相場への影響はほとんどありませんでした。ただ、大きな注目を集めたことで、「主張を訴える」という目的は達成できました。アップル・ストアの低賃金などは過去にも話題になりましたが、再び議論を呼ぶかもしれません。 ・

[JANUARY 07 , 2014] No 0105444

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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