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2013/12/12ボルカールール


FRBは10日、銀行が高リスクの自己勘定取引を禁止することなどを盛り込んだ「ボルカールール」の最終案を承認しました。預金保険公社など他の4つの政府機関も採択しました。これにより、オバマ大統領がボルカールールを発表してから1419日を経て、実行に移されることになります。

 「ボルカールール」とは、幅広い金融取引をカバーした規制である「ドッド・フランク法」の条項、つまり一部です。元FRB議長のポール・ボルカー氏が草案をつくったことが名前の由来です。71ページからなりますが、FRBなど関係機関からのコメントが900ページ以上ついています。 

ボルカールールは、銀行の自己資金によるデリバティブ、商品先物、証券などの取引を原則禁止することや、ヘッジファンドやプライベート・エクイティファンドなどへの出資も制限しています。さらに最高経営責任者(CEO)には、厳格なコンプライアンスの手続きを設けたことを証明するよう求めています。

ボルカールールが発表されて以来、日本を含めた外国政府や大手金融機関などから1万8000件もの注文が寄せられ、多くの例外規定が盛り込まれました。その内の1つは、日本国債などのいわゆるソブリン債は米国債と同様に例外として扱われることになりました。つまり、自己勘定で日本国債を買っていいということです。また、顧客に代行してリスクを軽減するためのヘッジ取引も認められました。

ウォール・ストリート・ジャーナルは、過去3年の間に世界の金融機関が劇的に変わったと報じました。自己勘定部門は事実上消滅し、トレーダーはルールが適用されないヘッジファンドなどに移ったほか、トレーダー出身の幹部の交代が進んだとしています。オバマ大統領がルールづくりに着手して以降、ウォール街の金融機関はルールの方向で既に変化したということです。ルールにより「ロンドンの鯨」のようなスキャンダルはなくなりそうですが、ドル箱だったトレーディング部門の収益が激減することが予想されます。ルール順守の期日である2015年7月21日まで、多くのドラマがウォール街で繰り広げられることになりそうです。

[DECEMBER 11 , 2013] No 0105428

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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