2分でわかるアメリカ

2013/12/11ヘッジファンドの維持費はHOW MUCH?


 先週木曜日、ニューヨークのトライベッカにあるシティバンクのディーリング・ルームを訪問しました。株式と債券のフロアですが、日本担当もいました。その中の1人はヘッジファンド担当。ヘッジファンドに日本株を売り込む責任者です。

ヘッジファンドは代替投資の一種で、通常は私募によって機関投資家や富裕層から資金を集め、世界の金融商品などに投資、運用するファンドのことです。ケイマンなどのオフショア籍が多いのですが、オペレーションはアメリカやヨーロッパに拠点を置くヘッジファンドが目立ちます。過去に訪ねたことがあるのですが、普通のオフィスでした。

世界には現在、約8000のヘッジファンドがあり、合計で2.5兆ドル(約250兆円)もの大規模な資金を運用しているとされています。運用資金の2%程度の管理費と成功報酬の20%が収益源です。規制が厳しくなり、その分コストも上がっているのですが、競争が激しく管理費平均は1.58%まで下がっています。

それでも、各四半期に平均30程度の新しいヘッジファンドが誕生しています。実際にヘッジファンドをはじめるためには、いくらかかるのか。ロイターが、124のヘッジファンドにアンケート調査したところ、少なくとも3億ドル(約300億円)の資金を集めないとブレイクイーブンにならないとの結果が出ました。300億円の1.58%、つまり約4億7400万円のコストが年間にかかる計算になります。

規模の小さいファンドはコストがもっとかかり、規制が厳しいというより複雑なため、アメリカよりヨーロッパの方がコストがかかるということがアンケート結果でわかりました。

為替で荒稼ぎした伝説のジョージ・ソロス氏や年収4000億円とされたジョン・ポールソン氏など富豪の投資家が運用するヘッジファンドは、ほとんどが自己資金です。高額のコストがかかっても自己資金を投じる価値があるということだと思いますが、想像以上に維持費がかかるようです。それにしても雲の上のような話ですね。

[DECEMBER 10 , 2013] No 0105427

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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