2分でわかるアメリカ

2010/07/02米経済は指標以上に悪い?


妻の友人のマーシャは現在、失業保険の給付を受けています。ご主人も失業していますが、個人事業主のため、失業保険が申請できません。預金も底をつき、ハリウッドにあるアパートのローンが2ヶ月間未払いです。銀行から、来月払わなければ物件から立ち退くよう通告を受けました。家を売ろうとしましたが、1年以上買い手が現れません。値段を下げると、ローンだけが残ります。

マーシャだけではありません。僕や妻の周辺では、職が見つからない人、家を失った人が何人もいます。CNBCは、「アメリカの労働省のデータでは、25歳から65歳の男性が7900万人いて、その内1800万人率にして22%が完全に失業している」と指摘しています。フルタイムの仕事が見つからず、パートをしている人はこの中に含まれていません。

アメリカの公式の失業率は10%を下回っていますが、仕事が見つからずパートをしている人、いわゆるアンダー・エンプロイメントの率は16%を超えていて、2,3年前の倍の水準です。これらの高い数字は、こちらで暮らしている実感と一致します。  

企業の業績は底を打ったようですが、これは人員を削減するなどして固定費を削減したためで、売り上げが伸びている会社は多くありません。

先週、新築一戸建販売件数が過去最悪の落ち込みを記録したというデータと中古住宅販売が減少したというデータが出ました。友人のマーシャのようにローンを払えず家を売りたいのに売れない人が全米で大量にいることが想像できます。僕が住んでいるサンタモニカでは、不動産会社のデータに出たり入ったりする物件が多数あります。長期間売れないため、多くの物件が一旦引き揚げられるのです。3年以上売れていない物件が、何件もあります。

アメリカ経済が二番底をつける可能性が議論されていますが、個人的には、すでに二番底になったのではないかとさえ思う今日このごろです。そう言えば、あした雇用統計の発表ですね。

[July 01, 2010] No 010197

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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