2分でわかるアメリカ

2013/11/29ブラックフライデー、激安のからくり


きょう28日はサンクスギビングデーです。プロテスタントの収穫を祝う式典が起源ですが、いまでは宗教色はなく、家族でターキーを食べる祝日になっています。クリスマス同様にアメリカ全土の活動が一時的にストップするのですが、明日は一年でモノが最も売れる「ブラックフライデー」です。活動が全開になります。一部の大型店は、今日夜からフライングして30時間連続で営業します。

年末商戦の初日とされるブラックフライデーでは、大幅値下げ競争が繰り広げられます。セービング・ドット・コムによりますと、平均の値引き率は38%。3年前の25%と比べ値引き幅が拡大しています。こんな下げて大丈夫なのか。誰もが抱く疑問ですが、激安のからくりをウォール・ストリート・ジャーナルが詳しく解説しています。

まず、小売店は値引きを前提に定価を決めていることがあります。定価68ドルで売っているセーターは、最初から40%引きの39.99ドルで売ることを前提にしているということです。洋服の場合、仕入れ値に約70%の利幅を乗せてあり、40%割り引いても30%近いマージンが取れるということです。実際、JCペニーやシアーズなどの大型小売店のマージン率は昔も今もほとんど変わっていません。

80%値引きにならないと本当の意味で出血セールにならないと考えれば良いと思います。家電の場合も同様。

アマゾン・ドット・コムでは、売れ筋で定価1799ドルのサムスンの60インチのHDTVが45%引きで販売されていました。定価は参考価格に過ぎず、最初から1297ドルで売ることが前提になっていました。ブラックフライデーには、さらに値下げされ、997ドルと定価の50%引きになります。定価を戦略的に高く設定しているのです。小売大手Targetは50インチのテレビを229ドル(約2万2900円)と宣伝していますが、値下げ前は600ドル(約6万円)です。

もう1つは、ブラックフライデー前に値上げする戦略です。特に玩具や日用道具品を直前に10%〜25%程度値上げし、ブラックフライデーに30〜40%割引するというものです。実際の値下げ率は低く、小売店は大きなマージンを得ることが出来ます。いまでは40%引きでモノを買うことが当たり前ですが、1980年代までは定価で買う人がほとんどだったようです。

 といっても、普段値下げされないものも激安となるため、ブラックフライデーは魅力的です。明日は、どこのモールも大混雑しそうです。狙いを定め、予定したものだけを買うのが良さそうです。 

ところで、日本のデパートなどの小売店の価格設定は高すぎると思います。セールでも値引き率が低すぎます。高い家賃やきめ細かいサービスをする人件費が大幅に上乗せされているからだと想像します。マージン率がどれくらいか、知っている人がいたら教えてください。

Happy Thanksgiving!

[NOVEMBER 28 , 2013] No 0105419

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.10.20 更新黄色いクルマが消える日ロサンゼルスはカリフォルニアらしい晴天でした。気温は28度。日本人の感覚では「暑い」と思うかもしれませんが、乾燥していて心地よい。5時間のフライトでニューヨーク…
  • 2018.10.19 更新カショギ氏の「最後のコラム」ワシントンポストが18日、行方不明のサウジアラビア人のジャーナリスト、ジャマル・カショギ氏のコラムを掲載しました。「アラブ諸国に必要なのは表現の自由」と題するコ…
  • 2018.10.18 更新米財務省の為替報告書※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)アメリカ財務省が為替報告書を公表する予定。アメリカ東部時間の…
  • 2018.10.17 更新財政赤字、トランプ氏の主張と違った※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)大規模な減税分は高い経済成長で相殺される。トランプ政権が去年…
  • 2018.10.16 更新マーケットが気にするサウジ記者問題※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(15日更新)はこちら(マイページへログイン)サウジアラビア人のジャマル・カショギ記者が今月2日から行方不…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ