2分でわかるアメリカ

2013/11/22曇り空の米住宅市場


 FRBやウォール街のエコノミストは、年初から住宅市場がけん引する形で景気が回復しているとしてきました。しかし、ここにきて、アメリカの住宅市場に陰りが見えてきました。 

全米不動産業協会が20日発表した10月の中古住宅販売戸数は年率換算で512万戸となり、前月比で3.2%減少しました。特に西部地区は7%も減少しました。価格中央値は19万9500ドルで、前年同月比で12.8%上昇しました。11ヶ月連続の2ケタ上昇です。協会は、住宅価格と住宅ローン金利の上昇を受け、手頃感が薄れてきていると指摘しました。新築住宅の建設ペースも冴えず、住宅市場の回復を阻害していると分析しています。

一方、ウォール・ストリート・ジャーナルは、シカゴ、セントルイス、カンザスシティの3つの地区連銀の報告書を分析、農地の価格が第3四半期に下落したと伝えました。地区連銀は、来年にかけて農地価格がさらに下がる可能性があるとの見通しを示しました。穀物などが豊作で、商品相場が下落した影響があるとしています。この記事を受けCNBCは、住宅がようやく回復したばかりなのに、早くもバブルがはじけたのかと伝えました。

ロサンゼルスの住宅価格は、ここ2、3年で大幅に上昇しました。現金で買う投資家が価格をつり上げました。ロサンゼルスの南側に位置するオレンジ・カウンティでは、去年1年で住宅価格が23.4%も上がりました。

不動産アナリストのジェッド・コルコ氏によりますと、カリフォルニアのロサンゼルス、オレンジ・カウンティ、そしてテキサスのオースティンは10%超割高の水準にあり、北カリフォルニアのサンフランシスコとオークランド、ハワイのホノルル、テキサスのヒューストンなど7つの地区は、4%から7%割高水準にあります。反面、米東部のオハイオやフロリダは割安水準にあります。不動産価格が二極化しています。

一部のアナリストは、住宅バブルが形成されつつあると指摘しています。確かにカリフォルニアはバブルの兆候があります。ただ、ケース・シラー20都市住宅価格指数では、住宅価格の中間値が2004年の水準にあり、ピークだった2006年から2007年と比べまだまだ低水準にあります。まだら模様の不動産市場は、FRBの金融政策にも影響する可能性があります。

[NOVEMBER 21 , 2013] No 0105414

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.06.21 更新ダウのオリジナル企業、全消滅※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)S&Pダウ指数委員会が19日、ニューヨーク株式マーケットのダ…
  • 2018.06.20 更新米中間選挙のマーケット予想※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちら(マイページへログイン)ロシア疑惑、移民をめぐる「不寛容政策」、中国との貿易戦争。ア…
  • 2018.06.19 更新増える米資産バブル論※今週の相場がまるわかり『Weekly投資戦略ガイド』(18日更新)はこちらウォール街関係者は「バブル」という言葉を使うことを可能なかぎり避けています。誰も使い…
  • 2018.06.16 更新ナパワインがメニューから消えたアメリカのトランプ政権の通商政策に世界が動揺しました。トランプ大統領は15日の声明で、技術と知的財産が中国に盗まれることを容認できないとして、中国からの輸入品5…
  • 2018.06.15 更新「カリフォルニア州を3分割」投票へアメリカ西海岸の大部分を占めるカリフォルニア州は、幅広い意味で全米最大の州です。人口は4000万人。アメリカ商務省の最新のデータでは、経済は2兆7470億米ドル…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ