2分でわかるアメリカ

2013/11/21「雇用統計は操作された」


GEのジャック・ウェルチ元CEOは正しかったのか。こんな話題がウォール街に広がりました。

 オバマ大統領の再選がかかった大統領選挙直前の去年10月5日金曜日。労働省が発表した9月の雇用統計は、失業率が7.8%と前月の8.1%から大幅改善、サプライズとなりました。強い雇用統計はオバマ大統領に追い風となり、11月の選挙で勝ちました。 

この雇用統計が発表された当日、ウェルチ氏は「信じられない数字だ。シカゴの男(オバマ大統領)は何でも出来る」とツイッターでつぶやきました。「雇用統計の数字が政府によって操作された可能性がある」という指摘です。大物財界人の指摘だけに当時は議論を呼びましたが、その後忘れ去られました。

しかし、ニューヨーク・ポストのスクープで疑惑が蘇りました。労働省から雇われた調査員の1人から内部文書を入手、失業率が操作されていた事実が明らかになりました。

それによりますと、調査員のジュリアス・ブックモン氏は、フィラデルフィア地区の調査結果を偽造、他でも同じことをやっていたと証言しています。

雇用統計は、全米を6地区に分け、合計で6万世帯に電話で雇用状況などを調査、その結果を集計したものです。雇用の正確な状況を把握するため、各地区に割り当てられた世帯の90%以上のインタビューが必要とするルールがあります。しかし、フィラデルフィア地区では数が足りず、架空のインタビューをねつ造しました。

毎月第1金曜日に発表されるアメリカの雇用統計は、世界で最も注目される経済指標です。報道された「統計操作」に政治的な意図があったのか、それとも怠慢なのかは不明です。いずれにせよ、信憑性が問われています。同時に、他の経済指標にも疑問符がつき始めました。消費者物価指数のコア指数からガソリンと食品を除くことが疑問視されているほか、小売売上高の信憑性が疑われています。単体の経済指標ではなく、中長期的なトレンドをみる必要があるということでしょうか。

[NOVEMBER 20 , 2013] No 0105413

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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