2分でわかるアメリカ

2013/11/20「彼は稼ぐ必要がある」


 アメリカの前財務長官のティモシー・ガイトナー氏が、ニューヨークに拠点を置く投資会社ウォーバーグ・ピンカスの社長兼マネージング・ディレクターに就任します。来年3月から仕事をはじめるそうです。 

ウォーバーグ・ピンカスは無名ですが、ウォール街や世界の金融業界でよく知られたプライベート・エクイティ会社(PE)です。1939年にドイツのユダヤ系資本家が設立、アメリカ、ヨーロッパを中心に過小評価された企業や新技術の開発などにより成長が見込める未公開企業など世界125社に投資、約350億ドル(3兆5000億円)を運用しています。アジアでは中国への投資を活発化しています。小規模ながら東京にも拠点があり、日興アセット・マネジメントやスキー場運営の白馬フォーティセブンなどに投資しています。

元政府高官や議会の幹部がPEに就職する例は少なくありません。ガイトナー氏は、元ニューヨーク連銀総裁、前財務長官という輝かしい経歴を持ち、世界に幅広いネットワークを持つため、PE以外の金融機関などから多くのオファーがあったとみられます。その中で、ガイトナー氏はなぜ、ウォーバーグ・ピンカスを選んだのか。

CNBCは、財務省やFRBが監督し深い関係がある金融機関を避けたかったのではないかと伝えました。ガイトナー氏が短期な利益より長期的な視点に立って投資する金融機関を好んだとも伝えました。ウォール・ストリート・ジャーナルは、公職経験者が民間に就職する際は形だけのポストが多いが、ガイトナー氏は実務・経営を担当すると伝えました。グローバルな視点の投資会社での実務経験に魅力を感じたのかもしれません。

一方、フィナンシャル・タイムズは、ガイトナー氏の財務長官時代の年収は20万ドル(約2000万円)、その前のニューヨーク連銀総裁時代の年収は41万1000ドル+43万4686ドルの計84万5686ドル(約8456万円)だったと伝えました。その上で、裕福な知人が全員、「ガイトナー氏は稼ぐ必要がある」と語っているとしています。公職から離れ、稼ぐモードに入ったということでしょうか。

[NOVEMBER 19 , 2013] No 0105412

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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