2分でわかるアメリカ

2013/11/07まさか!日本だけでヒットするアレ


NHKと民放各社の5日のニュースで、「ボジョレー・ヌーボー」の解禁を前に、第一便が羽田空港に到着したと大きく報道していました。慎重にボトルを取り出し女性の税関職員のハニカミながらも得意げそうな表情が印象に残りました。  

ボジョレー・ヌーボーは、フランスのボジョレー地区で収穫されたブドウを使った赤ワインの新酒です。毎年、11月の後半に解禁されます。今年は21日の午前0時が解禁。日本のテレビ各社は、ワイン人気が高まっていて、ボジョレー・ヌーボーの輸入量が増加傾向にあると伝えました。

時差の関係で「世界で最初に飲める」とバブル期にブレイクしたボジョレー・ヌーボーですが、フランスを含め世界では全く人気がありません。解禁日にパリにいたことがあるのですが、一部のスーパーで宣伝していましたが、誰も買っていませんでした。ボジョレー地区のワインはガメイという品種のブドウを使っていて、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを使ったボルドー、ピノ・ノワールのブルゴーニュのワインと比べ味に深みがありません。つまり、美味しくありません。フランスでは、日本円で300円か400円で売られていますが、安いという理由以外に積極的に買うフランス人はいません。

アメリカも同じです。そもそもボジョレー・ヌーボーを知っている人がいない他、大手のワイン店でも解禁日から1週間後に店舗の片隅で売っている程度。売れないので、入荷はほんのわずかです。値段は500円〜1000円の間ぐらいですが、同じ価格帯のナパ・ワインは飛ぶように売れています。

ボジョレー・ヌーボーの出荷の約半分が日本で消費されているそうです。ワイン輸入業者の宣伝に日本人が大きく影響されていると言えます。それを大きく伝えるテレビのニュースは、「広報ニュース」だと思います。ボジョレー地区の人はきっと、日本人が大好きです。

海外で人気がない、もしくは知名度がないのに日本でブレイクするモノは少なくありません。アルバ・パートナーズの竹内明日香さんは、「ポール・スミス」「オールド・イングランド」「キャサリン・ハムネット」などは日本だけでヒットしたブランドだとブログで指摘しています。さらに、経営の神様「ピーター・ドラッカー」やハワイの「クア・アイナ」は日本では有名だが、アメリカでは知名度がないと指摘しています。本当です。ボジョレー・ヌーボーも同じこと。マスコミの影響を受けやすい国民性ではないかと思います。

[NOVEMBER 06 , 2013] No 0105403

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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