2分でわかるアメリカ

2013/11/05番外編: 東京のタクシーの意外な景況感


アメリカに戻りました。シンガポール、マレーシア、そしてベトナムのASEAN3カ国を訪問、前後に東京に滞在しました。

東京滞在中、タクシーに6回乗りました。東京のタクシーは景気のバロメーターなので、いつも景況感を運転手さんに聞くことにしています。「アベノミクスの効果で日本経済は好調」と日本のメディアが伝えていますし、知人からもそう聞いていました。ところが、景況感は違いました。

「夏の後半から急激に売上が落ちた」「9月から悪くなり、10月に一段悪くなった」と言う答えでした。6人のタクシーの運転手全員が、「景気が悪い」と感じていました。「廃業を考えている」という運転手もいました。  

いずれの運転手も、消費税の引き上げが新聞の見出しになる頃から利用客が減り始め、10月はじめに安倍首相が引き上げ決定を発表した後、一段と悪くなったと話していました。実際に消費税が引き上げられる来年春以降は最悪になるだろうと心配していました。

今年1月末に東京を訪問した際は「客が戻ってきた」と聞いていました。今年4月に一時帰国した際は「リーマン・ショック前に戻った」と強い景況感を聞きました。今回は、日本経済が回復に向かっていると思っていただけに、大きなギャップがありました。

東京の街は、シンガポールやベトナム・ホーチミンと比べ、白人が極端に少ないと思います。かつて外国人が多かった六本木。夜の六本木通りには、外国人どころか、「飲み」に行く日本人のグループが今年前半と比べ減っているようでした。ロサンゼルスを往復するデルタ便は、行きも帰りもガラガラ。アメリカ人の乗客は数えるほどしかいませんでした。

7-9月期は相対的に堅調な日本企業の決算が目立ちます。しかし、詳しくみると見通しに慎重になっている大企業が少なくありません。アベノミクスで回復に向かっていた日本経済が今後、失速する兆しを感じます。次に東京のタクシーに乗った際の景況感が良くなっているといいのですが。

[NOVEMBER 04 , 2013] No 0105401

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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