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2013/11/02「お金持ちの掟シリーズ5」アジアのお金持ちは違う


自動車を取得する権利書の購入や高率の輸入税などで自動車の値段が日本やアメリカの5倍から7倍するシンガポール。自動車購入を諦める中間層が多い一方、シンガポールの中心オーチャード・ロードには、ベントレー、ポルシェ、フェラーリといった超高級車を多く見かけます。マレーシアのジョホールバルでは、高額のメルセデスが何台も走っていました。

一方、一人当たりのGDPがフィリピンの半分しかないベトナムのホーチミン市では、高級車の他、シャネルやルイヴィトン、カルティエといった高級ブランドの大規模なショップが数多くありました。

低い所得税やキャピタル・ゲイン税がゼロのシンガポールに富裕層が多く住んでいることは誰でも知っていますが、周辺の東南アジア諸国でも大幅に増えています。  

コンサルティング会社のキャップ・ジェミ二が10月に発表したアジア・太平洋地区の調査では、個人資産が約1億円を越す富裕層が2007年から2012年の5年間で9.4%増え、368万人に達しました。世界でお金持ちが最も多いアメリカに迫る規模です。また、アジア太平洋地区の個人資産は過去5年間で27%増えました。世界で最もお金持ちが増えているのがアジア太平洋地区です。

アメリカでは、個人事業主や大企業のCEO、金融取引で資産を築いた富裕層が目立ちます。また、ベンチャー企業の創業メンバーに個人資産が1000億円を超えるビリオネアが多いのも特徴です。一方、アジア太平洋地区の資産家の多くは、独占的な権益を持つ企業家や政府との関係が深い実業家が目立ちます。エアアジアを起業したマレーシアのトニー・フェルナンデス氏らは例外です。

アジアの富豪の1人、華僑のインドネシア人で巨大なコングロマリットのオーナーのエカ・ティプタ・ウェイジャジャ氏を父に持つシンガポール人のホン・レオン・オエイ氏。今年5月、ユーロドルなどの外為取引や債券取引で約700億円の損を出したことが現地で話題になりました。オエイ氏はフォーブス富豪ランキングで33位、個人資産は約745億円と評価されています。しかし、700億円の損を現金で処理したことで、隠れ資産が何倍もあるのではないかとみられています。

情報公開が徹底されたアメリカの富豪と異なり、アジアの富豪は公表された資産を大幅に上回る個人資産を保有していることが珍しくありません。また、アメリカの富豪は、資産の多くを慈善活動に拠出する例が多いのですが、アジアの富豪は寄付よりも積極的な投資で運用、ファミリーで富を享受している例が多くみられます。

[NOVEMBER 01 , 2013] No 0105400

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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