2分でわかるアメリカ

2013/10/31番外編:スズキのホンダ直して


ベトナムに来ています。南の中心ホーチミン、旧サイゴンです。アジアの主要都市はほとんど訪問した経験があるのですが、ベトナムだけは機会がありませんでした。初めて訪れたホーチミンは、予想以上に沸いていました。  

ベトナム航空でホーチミンに到着すると、機内で音楽が流れます。キャビン・アテンダントが「海が遠くなる」という題名の流行歌だと教えてくれました。メロディがなんとなく懐かしく感じたため聞いたのですが、情緒溢れた日本の歌謡曲になんとなく似ています。日本人であれば、誰もが哀愁を感じるメロディです。

相通じるものがあるからと言う訳ではないと思うのですが、ベトナムでは「日本」が目立ちます。空港からホテルに向かう車の窓から「キャノン」「ソニー」の看板がやたら目に入り、ノックダウン方式でベトナム車になったトヨタばかりが走っていました。

極めつけはホンダ。人口約9000万人のベトナムには、人口とほぼ同数のスクーターが登録されているそうです。ベトナムではスクーターのことを「ホンダ」と呼びます。シンガポールの投資銀行家は、ベトナムにはスクーターに乗りながら自分を売る「ホンダガール」がいると話していました。地元の人によりますと、取り締まりが厳しくなったため「ホンダガール」は消えたそうです。いずれにせよ、「ホンダ」が多いということです。もちろんスズキやヤマハもあり、「スズキのホンダを修理してくれ」とスズキのスクーターを業者に持ち込む人がいるとのこと。

ジェトロの統計でも日本のベトナム進出の多さを裏付けています。去年末時点の海外直接投資ランキングのトップは日本。台湾、韓国が続きます。ただ、実際にはタックスヘイブンなどを経由した韓国の投資が多いようです。ベトナムの対外債務は、公的銀行からの融資を除くと、日本のODAが突出、政府もベトナム進出を後押ししていることがわかります。

社会主義国家の中の資本主義国ですが、2007年にWTOに正式加盟して以降、ベトナム・ブームが起きました。その流れが、いまも続いていると日本の大手銀行の支店長が話していました。低賃金、政情の安定、治安の良さ、そして地政学的な優位性で、ベトナムが今後飛躍的に発展する兆しを感じます。

[OCTOBER 30 , 2013] No 0105398

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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