2分でわかるアメリカ

2013/10/30番外編:アジアのマネー・センター


 シンガポールの中心地、オーチャード・ロードに近いフォーシーズンズ・ホテル。最上階には「Windows East Widows West Pool」があります。プールに「東の窓・西の窓」と名付けているのです。 

アジアの金融センターとしての地位を香港と競ってきたシンガポールは、時差を香港に合わせてあります。地理的には日本から2時間遅れているのですが、取引時間で香港に負けたくないため、無理やり合わせています。このため、朝は7時まで明るくなりませんし、夜は7時まで暗くなりません。

経済チャンネルのCNBCのアジアの拠点はシンガポールにあります。キャスターはシンガポールのヘッドクオーターから、東京、ソウル、香港、メルボルンと中継で各市場の状況を伝えます。ニュースは、アメリカと中国の情報が多く、日本の情報はローカル・ニュースでしかありません。キャスターは、アメリカ英語を喋ります。日経新聞との合弁会社「日経CNBC」がありますが、CNBCアジアと比べ、中身も情報量も別次元のものになっています。

1997年に統治していたイギリスが中国に返還して以来、香港はアジアのマネー・センターと言うより中国本土への窓口として役割が大きくなりました。一方、シンガポールはアジア太平洋地区のマネー・センターとしての地位が高まっています。東京三菱UFJ銀行のシンガポール支店の行員数は、香港支店の1.5倍います。欧米の主要金融機関と有力なヘッジファンドなどがシンガポールに大きな拠点を置いています。

シンガポールのマーケットが閉まった後、CNBCアジアは、CNBCヨーロッパに切り替わります。ロンドンを拠点にニューヨークが開くまで、ヨーロッパ・マーケットを伝えます。

CNBCは、世界のマネーの動きを象徴していると思います。ニューヨークからシンガポール、そしてシンガポールからロンドン、そしてニューヨークをシームレスに動いています。英語圏で、決済や発想の中心はドル・ベースであることが共通しています。日本人は発想が内向きになりがちですが、シンガポールにいると外向きに発想することの重要さを感じます。

[OCTOBER 29 , 2013] No 0105397

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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