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2013/10/15「通貨ファンドの巨人」撤退


かつて世界最大だった通貨ファンドが撤退しました。低調な運用成績を嫌って大口顧客が相次いで解約、ファンドを維持できなくなったからです。今週から顧客へ資金の返還を本格化しました。

通貨に特化した資産運用から撤退を決めたのはニューヨークを拠点にするFXコンセプツ。外国為替取引のパイオニア的な存在であるジョン・テイラー氏が1981年に創業したヘッジファンドです。

コダックなどの多国籍企業の為替ヘッジなどで実績を上げ、順調に運用資産を増やしました。2005年に円の取引で巨額の利益を上げたことで知られています。通貨を運用するヘッジファンドでは、1992年にポンド取引で10億ドル(約1000億円)以上を稼いだジョージ・ソロス氏の通貨ファンドと並ぶ巨人でした。ピーク時の2007年の資産運用額は404億ドル(約4兆円)にのぼりました。

しかし、2008年の金融危機後、FXコンセプツの運用資金は急激に減少しました。ウォール・ストリート・ジャーナルによりますと、ファンドの運用成績は、2011年と2012年がそれぞれマイナス3.2%、今年もマイナスが続いていました。特に人気が高かったグローバル・カレンシー・プログラムは年初から13.9%のマイナスになっていました。

失望した顧客が資金を引き揚げる動きが加速しました。1月には、ペンシルバニア州の教職員年金基金、3月にはメリーランド州モンゴメリー郡職員退職年金、6月にはオハイオ州の消防・警察退職年金が解約、そして先月、カリフォルニア州サンフランシスコ市の職員退職年金が4億5000万ドル(約450億円)を引き揚げる方針を固めました。

FXコンセプツのウェブサイトなどによると、9月末の運用資産は6億6100万ドル(約650億円)でした。ピーク時の6年前の約60分の1という激減。FXコンセプツは「事業を支えていけない資産水準に低下した」と発表しました。

現在世界には、外国為替取引に特化したヘッジファンドが約200あるとされています。ただ、ジョージ・ソロス氏が家族の資金を運用に特化することを決めたほか、ジョン・テイラー氏という伝説的な投資家がまた1人消え、通貨ファンド業界が大きく変わりつつあります。

[OCTOBER 14 , 2013] No 0105385

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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