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2013/10/11次はプエルトリコ債務危機?


「プエルトリコが危ない」

 夏頃からホワイトハウス、財務省、そしてFRBで囁かれていたのですが、金融業界で先週ぐらいから話題にのぼりはじめました。 

プエルトリコはカリブ海北東部に位置します。1493年にコロンブスが到着して以降、長期間に渡ってスペインの植民地でした。しかし、1898年の米西戦争の後、アメリカの領土となりました。ただ、正式の州ではなく、コモンウェルス(自治連邦区)という特殊な立場。アメリカの納税義務はなく、大統領選挙の投票権もありません。ただ、アメリカ下院に投票権を持たない代表者を送り出しています。

プエルトリコは870億ドル(約8兆7000億円)の債券を発行、つまり借金をしています。プエルトリコ債は、アメリカの他の自治体の債券と異なり、金利が高く、しかもアメリカの連邦政府や州の所得税が免除されます。このため、ミューチュアル・ファンドが積極的にポートフォリオに組み入れてきました。

しかし、先月ごろから状況が変わりました。プエルトリコの財政赤字が拡大し、3大格付け会社が、プエルトリコ債を投資不適格(ジャンク債)の1つ上までそれぞれ格下げしました。これを受け、ミューチュアル・ファンドがプエルトリコ債を売り、利回りが急上昇しました。プエルトリコは市場から事実上追い出され、銀行の融資などで繋いでいます。長く続かないことは言うまでもありません。

プエルトリコの人口は370万人。一人当たりの借金は2万3500ドル(約235万円)です。破たんしたデトロイト市の借金は180億ドル(約1兆8000億円)。人口が70万人ですので、一人当たりの借金は2万5700ドル(約257万円)です。つまり、プエルトリコの財務状況は、デトロイトとほぼ同じ状況にあるということです。ただ、デトロイトは破産裁判所の保護を受けましたが、プエルトリコは自治連邦区という特殊な位置づけであるため保護は受けられません。プエルトリコの知事が今週はじめからウォール街の投資家や政府関係者と協議していますが、解決策が見い出せないでいます。

プエルトリコが破たんした場合、アメリカの機関投資家や個人が投資したミューチュアル・ファンドが巨額の損失を被ることが予想されます。プエルトリコの財政をアメリカが直接管理する選択肢がありますが、「ねじれ議会」で時間がかかるとの指摘があります。

プエルトリコが「アメリカ版ギリシャ」もしくは「アメリカ版キプロス」に発展する懸念が日を追うごとに強まっています。

[OCTOBER 10 , 2013] No 0105383

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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