2分でわかるアメリカ

2013/10/08いつか終わる政府閉鎖、でも終わらない


アメリカの連邦政府の一部が閉鎖されて丸1週間が経ち、影響が広がり始めています。

首都ワシントンでは、政府機関や施設のゴミが回収されず、衛生状態が懸念されています。レンタルの自転車はフル稼働、一方で通勤客が激減した地下鉄はガラガラです。80万人の政府職員が無給になっている一方、議員報酬は支払われています。さすがに気まずいのか、138人の議員は報酬の受け取りを拒否しているそうです。

一方、住宅ローン申請に必要な所得証明がIRSから得られないため、承認が下りなくなっています。回復していた住宅市場が減速する兆しがあります。新薬、商標や特許などの認可作業がストップしているほか、ビザやパスポートの新規申請・更新作業も時間がかかっています。

外交への影響は深刻です。オバマ大統領はAPECやTPP首脳会議に出席するため予定していたアジア歴訪を中止。アメリカ政府とEUの貿易に関する閣僚会合もキャンセルされました。

 政府閉鎖が長期化すれば、悪影響がさらに拡大することは必至です。ある時点で政府閉鎖が解除されたとしても、共和党と民主党の溝は深く、過去に例が無いほど「機能しない政府」が続く可能性が指摘されています。 

ワシントン・ポストは、共和党と民主党の思想、文化、政策が異なるため、政府閉鎖が解除され、債務上限が引き上げられ、保留されているいくつかの法案が成立した後も、政府の機能不全が続くことが確実だと報じています。ニューヨーク・タイムズは、医療保険制度改革(オバマケア)に反対する共和党により政府閉鎖は年初から計画されていたとして政治対立の根が深いことを解説しています。

政府閉鎖より影響が大きい債務上限引き上げ問題が来週半ばにデッドラインを迎えます。今週1週間のワシントンの動きは、極めて重要だと言えます。ただ、きょう7日時点で解決の兆しはありません。

[OCTOBER 07 , 2013] No 0105380

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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