2分でわかるアメリカ

2013/10/05「お金持ちの掟」新リッチになる条件


アメリカ東海岸のボストンから南にクルマで1時間半。ロード・アイランド州ニューポートは、富豪の別荘地として知られています。ただし19世紀末の話。鉄道、銀や石炭、中国との貿易などで巨額の資産を築いた富豪の夏の別荘がいまも数多く並び、観光スポットとなっています。当時は所得税がなかったため、富が積み上がりました。

世界大恐慌、2回の世界大戦を経て、19世紀末に誕生した富豪らに高率の所得税や相続税が課せられるようになりました。時代の流れもあり、飛び抜けた富豪の人数は減っていきました。

しかし、1980年に誕生したロナルド・レーガン第40代大統領が誕生したことで、状況が大きく変わります。共和党のレーガン大統領が高額所得者への優遇措置を導入したからです。背景にあるのは「トリクルダウン理論」。富裕層を支援することで経済が活性化、低所得者も潤うという経済理論です。富裕者優遇は、ジョージ・W・ブッシュ政権下で加速、アメリカは「リッチ製造マシーン」になりました。

 一般的に、ドット・コム・バブルで「ニュー・リッチ」がアメリカで急増したとされていますが、実はその前から増えていました。共和党は引き続き富裕層優遇を掲げ、中間層を支援する民主党のオバマ大統領とは常に対立。政府閉鎖も引き起こしました。 

元ウォール・ストリート・ジャーナルで、現在CNBCに所属するロバート・フランク氏は、富豪専門の記者として知られています。NHKスペシャルでも先日取り上げられました。フランク氏は著書「Richistan(リッチスタン)」の中で、ニュー・リッチには5つのカテゴリーがあると書いています。1.企業のファウンダー2.公開企業の創業期からの大株主3.起業した会社を売却した人4.金融取引で成功した人5.アメリカの大企業のCEOです。アメリカ上位1%の高額所得者の収入総額は年1.35兆ドル(約135兆円)に達し、フランス、イタリア、カナダの個人所得総額を超えるほど巨大。「リッチスタン」という新国家を形成しているとフランク氏は主張しています。

アメリカには現在、100万ドル(約1億円)を超える資産を持つ人が約900万人います。また、フォーブスによりますと、世界には個人資産が10億ドル(約1000億円)を超える富豪が1426人います。この内442人はアメリカ人で、世界で断トツの一位です。実際には、さらに多くの無名の富豪がアメリカにいるとみられています。ほとんどは、19世紀末の富豪と比べ国境の概念がなく、世界で自由に暮らしています。フランク氏が言う「リッチスタン人」です。

筆者は5年前、ロシア人の富豪とひょんなことから知り合いました。家族ぐるみで一緒に旅行し、食事を何度もする内に、いままで知らなかった世界があることがわかりました。金銭感覚が違うのは当たり前ですが、発想の仕方や時間の使い方が全く違いました。紹介されたアメリカの富豪も、過去に会った誰とも違う人種でした。

これから毎週金曜日は、「富豪の掟」と題した新シリーズで、ニュー・リッチのあらゆる側面を取り上げていきます。

[OCTOBER 04 , 2013] No 0105379

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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