2分でわかるアメリカ

2013/10/04政府職員が怯える143年前の法律


 議会の対立でアメリカの政府機関の一部が閉鎖されて3日目。解決の糸口が見当たらず、閉鎖が長期化する懸念が広がり始めました。 

政府閉鎖は、Anti-deficiency ACTによるものです。「不足金請求禁止条項」と訳されます。143年前の1870年に成立した法律で、その後数回に渡って修正されています。具体的には、政府が予算不足となった際、緊急のものを除き業務を停止しなければならないという法律です。

この法律により、議会が期限までに予算を成立させなかったため、政府機関の一部が閉鎖される事態になりました。約80万人の政府職員は強制的に自宅待機になり、給与は支払われません。

法律に反して業務をした場合は、罰金か禁固刑、もしくは両方が科せられることになります。非常に厳しい罰則。ボランティアであっても仕事をしたら禁固刑になる可能性があるとするメモは、閉鎖が確定した直後、政府職員全員に送られました。ほとんどの職員は、17年前の政府閉鎖を経験していないため、その内容に怯えたことが想像できます。

CNBCによりますと、政府機関の幹部は、全ての決済に関し緊急性があるか詳細を確認しています。また、ホワイトハウスの職員の一部は、メールや携帯電話をチェックしないよう指示されました。業務をしていると疑われるからです。

緊急性があるかどうかの最初の判断は、議会の予算局が下します。当然ながら限界があるため、取りこぼしがあり、予期しない事態に発展する可能性があります。さらに、予算局の判断が間違えば、罪に問われることがあり、143年前の法律への脅威は、政府職員だけでなく、議会にも及んでいます。政府閉鎖が長期化すれば、広い分野で予想以上に大きな悪影響が出そうです。

[OCTOBER 03 , 2013] No 0105378

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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