2分でわかるアメリカ

2013/10/02閉鎖でもスタートしたオバマケア取引所


アメリカ政府の一部が議会の対立により17年ぶりに閉鎖されました。幅広い政府機関が閉鎖され、スミソニアン博物館などの施設が休館しました。マーケットが注目していた4日の雇用統計も発表が延期されました。

前回の1996年には、閉鎖期間が21日に及びました。今回どのくらい続くのかは議会次第で、現時点で誰もわかりません。連邦議会での共和党と民主党の対立の最大の要因は、オバマケアと呼ばれる医療保険制度改革です。すでに法律化されていますが、共和党が施行に反対していて、「新年度予算が人質のようになった形です。

ただ、オバマケアの一環である保険取引所は予定通り、きょう1日からスタートしました。健康保険を売買するオンラインの取引所です。オバマケアは国民皆保険を目指していて、4500万人いるとされる保険を持っていない人だけではなく、勤務する会社から保険が出ている人も好きなプランを選択することができます。取引所には、多数の民間の保険会社がさまざまなタイプの保険を売りに出しています。

 取引所で買った保険は年明け1月1日開始で、保険を持っていない人は来年3月31日までにいずれかの保険を買うことが義務づけられます。保険を買わなかった人には、初年度は95ドル(約9500円)もしくは年収の1%の罰金が課せられ、年を追うごとに罰金は高くなります。 

歴史上初めての試みで、医療費が異常に高いアメリカでは画期的なことですが、不安要素が少なくありません。

まず、ほとんどの人がオバマケアを理解していないことです。連邦政府や州が詳しく説明する広報サイトを立ち上げていますが、複雑で長く簡単に理解できません。複数のアンケート調査では6割から7割の人が「よく知らない」と答えています。連邦政府は36の州の取引所を運営、その他の州は独自に取引所を開設します。ただ、準備不足でミネソタ州などはまだ試験中です。

取引所が出来たからといって、保険料金が下がることは期待できません。高齢や過去の病歴などを理由に保険会社が申請を拒否することは出来なくなりませんが、結果として一部の保険料が上がる場合もあります。「大混乱すると予想する専門家も少なくありません

シティグループが実施したアンケート調査では、初年度の保険取引所の登録者は400万人になる見通しです。議会予算局の予想700万人と比べ大幅に少ない規模です。政府機関の閉鎖も影響する可能性があります。本来なら、歴史的な1日だったのですが、議会対立で不安なスタートとなりました。

[OCTOBER 01 , 2013] No 0105376

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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