2分でわかるアメリカ

2013/09/27声明漏れ?一体何が起こった


先週18日に開かれたFRBが金融政策を決めるFOMCの声明が、解禁時間前に外部に漏れた可能性があることがわかり議論を呼んでいます。しばらく前に同様の問題がありましたが、あくまでも民間の話でした。しかし、今回は、量的緩和の縮小を開始するかどうかを世界が注目したアメリカの中央銀行の決定に関わることだけに、注目度が高くなっています。

きっかけは、シカゴの取引所で解禁時間の東部時間18日午後2時前に売買高が異常に膨らんだという指摘が一部のメディアに伝えられたことです。6億ドル(約600億円)の売買高があったと推定されています。発表前としては異常な高水準です。予想に反してFOMCが緩和縮小を先送りしたことで、株式相場、商品相場、債券相場、そしてドル相場が、発表直後に大きく動きました。

実際に何が起こったのか。CNBCがドキュメント風に伝えています。以下は、ワシントンで開かれたFOMCの2日目の会合が終わった9月18日の動きです。  

午後1時45分 FOMCの会場のドアは鍵がかけられていた
午後1時50分 FRBの職員が記者に声明のコピーを配布
午後1時55分 FRB職員がテレビの記者をバルコニーに誘導
午後2時00分 FRBのホームページに声明をアップ

解禁の10分前に記者に声明を配ったのは、内容が複雑であるため、理解する時間を与えるためです。また、テレビの記者をバルコニーに誘導したのは、カメラが設置されているためです。担当記者は例外なく、声明を解禁時間前にFRBの外に出さないことに合意する誓約書に署名しています。しかし、漏洩は起こりました。

CNBCの質問に対し、ダウ・ジョーンズ、ロイター、ブルームバーグ、そしてボンド・バイヤーは、解禁時間前に外部に出していないと答えています。ただ、マーケット・ニュース・インターナショナルというマイナーなメディアは「後日に詳細を回答する」と明言を避けました。事実関係は依然、不透明です。

FRBは、声明を解禁前に流された場合のルールを決めていませんが、真実が明らかになれば、ルールの変更を検討することが確実です。FRBは、予想に反して緩和縮小を見送り金融市場を動揺させたことで、コミュニケーションの悪さを露呈しました。今後、情報管理の問題も問題視されそうです。

[SEPTEMBER 26, 2013] No 0105373

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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