2分でわかるアメリカ

2013/09/24米国が一番気になる国


週末に欧米メディアをまとめて、ゆっくり読みました。あらためて気付いたのですが、中国関連の報道がやたら多いことです。日本のメディアでは「尖閣列島」を巡る外交問題に関する報道が目立ちますが、これに対し欧米メディアは、中国国内の政治、そして中国企業に関する分析や解説など中国を理解するための深い記事が多いのが特徴です。いかに中国の動向に関心が高いかを示しています。

例えば、ウォール・ストリート・ジャーナル。元共産党エリートの薄熙来被告が収賄、横領、職権乱用の罪で無期懲役の判決を受けたという記事は、週末に日本を含め世界のメディアと同様に大きく報じているのですが、主要欄にはそれ以外に3つの中国関連の記事が掲載されました。

最も大きな扱いは、中国で最も金持ちの王健林氏が率いる不動産会社、大連万達集団が、ハリウッドを超える世界最大の映画会社をつくりはじめたという記事です。レオナルド・ディカプリオさんやキャサリン・ゼタ・ジョーンズさん、ニコール・キッドマンさん、ジョン・トラボルタさんら、Aクラスと呼ばれるハリウッドの大物が相次いで大連万達集団の映画に出演することを契約したほか、ユニバーサルやソニー・ピクチャーズなど大手スタジオの幹部が、王健林氏に挨拶するため中国を相次いで訪れたとしています。

また、ウォール・ストリート・ジャーナルは、政府系金融機関の中国開発銀行が、去年とは対照的に民間企業への融資に消極的だとする記事も掲載。さらに、大型の台風が中国南部と香港を直撃したニュースも異例とも言えるほど詳しく伝えました。

 欧米のメディアは、中国の特殊な環境も頻繁に取り上げます。中国共産党による経済指標の操作や中国人民元を意図的に安くしていること、人権問題や汚職など話題が尽きません。 

フィナンシャル・タイムズは、政治、企業、家庭などを幅広く取材した中国特集を連日掲載しています。面白かったのは、中国の共産党一党独裁政治がいつまで続くかを分析した解説記事です。

この中で、1936年のベルリン、1980年のモスクワ、1984年のサラエボ、1988年のソウルと過去に夏のオリンピックが開催された国で、5年から10年後に長期政権が崩壊したり、金融危機になったりしたジンクスがあると指摘しています。2008年の北京オリンピックから5年が経ち、「アラブの春」に似た政変が起こるリスクがあると警鐘を鳴らしています。

欧米の中国に関する報道熱は、下火になることはなくても、加速することはありそうです。

[SEPTEMBER 23, 2013] No 0105370

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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