2分でわかるアメリカ

2013/09/19ドル相場に影響する米デフォルト・リスク


アメリカで過去20年、何度も繰り返された問題が深刻化する可能性があります。

 「債務上限の引き上げをギリギリまで遅らせようとすれば、極めて危険なことになりかねない」。ルー財務長官は17日のワシントンでの講演で警告しました。 

ルー長官は先月、財務省の現金残高が10月半ばに500億ドルになり、法律が定めた16兆7000億ドル(約1670兆円)の連邦政府債務の上限をそれまでに引き上げることを求めた書簡を議会に送りました。しかし、ベイナー下院議長は18日、「オバマケア」と呼ばれる医療保険制度改革法関連の予算打ち切りをちらつかせ、徹底的にオバマ政権と対立する構えです。オバマ大統領は議会を激しく批判しています。溝は深く、債務上限引き上げの目処が全く立っていません。

アメリカ予算局(CBO)のエルメンドルフ局長は、債務上限が引き上げられない場合、アメリカは10月末から11月中旬の間にデフォルト(債務不履行)になる恐れがあるとの見解を示しています。ワシントン・ポストは「政府機関の閉鎖が現実になりつつある」と報じ、政府は閉鎖に備えた準備に入りました。

デフォルトになった場合、連邦政府の一部が閉鎖されることになります。クリントン政権時代の1995年から1996年にかけて、議会との対立から2回に渡り政府機関の一部が閉鎖されました。1回目は5日間と短期でしたが、その後の年末年始にかけ3週間に渡って閉鎖されました。

BKアセット・マネージメントによると、閉鎖された期間にドルの主要通貨に対する値動きを示すドル指数が0.65%超低下しました。ただ、閉鎖が解けた後にドルは急速に値を戻しています。このため、閉鎖された場合はドルが売られるものの、短期的なものになる可能性があります。

マーケットの関心はFOMCに集まっていますが、明日以降は債務上限引き上げ問題が外国為替マーケットの最大の材料になるかもしれません。

[SEPTEMBER 18, 2013] No 0105367

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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