2分でわかるアメリカ

2013/09/18歪んだ大国


 「またか!」。

ニュースを聞いたアメリカ人は誰もがそう思いました。 

アメリカの首都ワシントンで16日の朝起きた銃乱射事件で、元兵士の容疑者1人を含む13人が死亡しました。「キャピトル・ヒル」と呼ばれるアメリカ議会から南東にわずか2キロ。ホワイトハウスまでは4キロに位置する海軍施設で事件は起きました。アメリカの政治の中枢で銃が乱射されたのです。

2007年のバージニア工科大学の乱射事件で32人が死亡     

2009年のテキサスの陸軍基地の乱射事件で13人が死亡

2010年のアリゾナの発砲事件で裁判官が死亡、ギルフォード議員が頭を撃たれ重傷

2012年のコロラドの映画館での乱射事件で12人が死亡

2012年のコネチカットの小学校での乱射事件で児童ら26人が死亡

数えたらきりがない。余りにも多すぎる。世界でこれほど乱射事件が発生する国は、内戦や革命が起きた国を除くとアメリカだけです。事件のあった海軍施設の近くに住むワシントン・ポストのコラムニストは「乱射事件がアップル・パイや野球のように日常のものになってしまった」と歪んだアメリカ社会を嘆いています。

乱射事件が起きるたびにアメリカでは銃の需要が高まります。去年だけで銃を購入するためバックグラウンド・チェックを受けた人は約2000万人。去年の銃の販売数は前年比で20%も増えました。議会で銃規制法案が過去何度も浮上しましたが、その都度廃案になっています。

首都で乱射事件が起きたのとほぼ同じ頃、国連の調査団がシリアで化学兵器が使用されたと断定しました。ロシアに歩み寄ったものの、オバマ大統領はまだ、シリアを軍事攻撃する方針を撤回していません。今回の悲劇を受け、オバマ大統領は「外国での任務に伴う危険を知っていても母国では想像もしていない暴力があった」と哀悼の意を表しました。犠牲者には海軍でシリア攻撃の準備に関わった人も含まれている可能性があります。

化学兵器の使用は許しがたいことですが、オバマ大統領の優先課題は遠い外国の内戦への関与ではなく国内にあると考えるのは、間違っているでしょうか。

[SEPTEMBER 17, 2013] No 0105366

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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