2分でわかるアメリカ

2013/09/04「サマーズFRB議長」誕生か


FRBが今月17日と18日に開催するFOMCに世界の注目が集まっています。資産買い入れプログラム(QE)の縮小に関する決定が世界のマネーの動きを劇的に変える可能性が高いからです。しかし、今月は、FRB関連でもうひとつ重要なイベントがある可能性があります。  

オバマ大統領は、ベン・バーナンキ議長の後任候補を早ければ今月末にも決めると予想されます。8月半ば頃までは、ジャネット・イエレン副議長とラリー・サマーズ元財務長官の2人の最有力候補がいるとされていましたが、2週間ほど前から「サマーズ議長誕生」を確実視する報道やコメントが目立っています。イエレン副議長が「自分が指名される可能性はなさそう」と周辺に話しているとの話も聞こえてきます。

オバマ大統領がサマーズ氏を次期FRB議長に指名する可能性は3分の2だと関係筋の情報としてCNBCが伝えています。こうした中、FRBの次期議長を巡る議論は「誰がなるか」から「サマーズはどう動く」に変わりつつあります。

サマーズ氏はクリントン政権時代に財務長官を務めました。また、オバマ大統領の一期目に大統領経済顧問として金融危機の対応で手腕を発揮したとされています。ノーベル経済学賞を受賞したポール・サミュエルソン氏は叔父にあたり、サマーズ氏自身も天才で秀才のエコノミストであることは誰もが認めるところです。

ただ、バーナンキ議長が退任する1月に後任に就いた場合はどうか。サマーズ氏は強いキャラクターなので、事務能力や調整には強いが経済政策での経験が浅いジャック・ルー財務長官の存在感がなくなるとの指摘があります。サマーズ氏を選ぶのであれば財務長官も変えた方がいいという意見もあります。一方、独立性が求められる中央銀行のトップとしては、大統領に近すぎるとの指摘もあります。

サマーズ氏は過去に、バーナンキ議長が推し進めたQEの効果を疑問視する発言をしています。このため、サマーズ氏はQE縮小のペースを速め予定より早く終了させるのではないかとの観測もあります。予期しない大きなネガティブなイベントを指す「ブラックスワン」が起こると言うマーケット関係者もいます。

報道が加速する中、サマーズ氏自身は沈黙を保っています。「サマーズ議長」の政策に関する議論は、FOMC後の今月19日以降に一段と活発になると予想されます。マーケットに与える影響は、次回のFOMCより次期議長選出の方が大きいかもしれません。

[SEPTEMBER 03, 2013] No 0105357

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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