2分でわかるアメリカ

2013/09/039月相場、変動の予感


長い夏が終わりました。歴史的にみて9月は株式相場が軟調な月です。1950年以降、60%の確率で株式相場が下落しています。平均の下落率は1%程度と小幅なのですが、今年の場合は8月にダウが4%超下落しました。ウォール街には、9月は一段とボラタイルになるとの見方が少なくありません。重要イベントが目白押しだからです。

マーケットの最大の関心は、9月17日と18日の2日間に渡って開かれる金融政策を決めるFOMC。過去のFRB幹部の発言やFOMCの議事録などから、量的緩和である資産買い入れブログラム(QE)の縮小を9月のFOMCで決めるのではないかとエコノミストの過半数が予想しています。現行のQEは月850億ドルの規模ですが、100億ドルから250億ドル程度縮小するのではないかとみられています。

 ただ、時期と縮小ペースについては依然不透明な部分もあります。見極めるための材料として、今週9月6日金曜日に発表される8月の雇用統計がかつてないほど注目されています。 

QEを巡る観測などで動く米国債の動きが、株式とドル相場に影響しそうです。特に米10年債利回りが上昇基調にあり、近く大きな節目の3%を超えて上昇するのではないかと予想されています。利回りの上昇はドル高に繋がるケースが多いのですが、上昇ピッチが早すぎる場合は株安ドル安を招くとの指摘もあります。さらに、アジアの新興国通貨相場が一段と荒れる可能性もあります。元モルガン・スタンレーのエコノミストで現在エール大学の教授であるスティーブン・ローチ氏は、インドの通貨安などを指摘し「世界経済は新たな金融危機に陥る」と警告しています。

アメリカ連邦政府の債務上限問題も相場に影響しそうです。10月中旬にアメリカ政府の資金が枯渇します。9月は、いわゆる「財政の崖」の状態になり不透明感が強まります。ワシントン・ポストは、オバマ政権と議会の溝が大きく、解決しない深刻な状態が長引く可能性があると解説しています。

アメリカの外にも材料が満載です。ドイツでは9月22日に総選挙が実施されます。メルケル首相が率いる連立が勝利するかどうかが焦点です。メルケル首相が懸念しているギリシャの新たな支援を巡る議論も活発化することが予想され、ユーロ相場だけではなく、マーケット全体に影響する可能性があります。

さらに、日本の消費税引き上げを巡る安倍首相の決断もマーケットが注視しています。シリアやエジプト情勢からも目が離せません。

9月は、投資家、マーケット関係者にとって忙しい1カ月になる予感がします。

[SEPTEMBER 02, 2013] No 0105356

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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