2分でわかるアメリカ

2013/08/28予想より早い「財政の崖2」


 アメリカ連邦政府による債務に上限を設ける法律があるため、政府の現金が枯渇する状態が10月半ばに訪れます。専門家は債務が上限に達するのは11月ごろではないかとみていたため、ネガティブなサプライズでした。 

ルー財務長官がベイナー下院議長らへの書簡で明らかにしたものです。書簡によりますと、10月半ばに16.7兆ドル(約1670兆円)の債務上限に達するということです。Xデーの日付は特定していませんが、ルー財務長官は「政府の口座に500億ドル(5兆円)の現金しか残らなくなる」と警告しています。

議会がそれまでに上限を引き上げなければ、年金、軍の給与、政府施設の管理費などが払えなくなります。同時にアメリカ政府が借金を返せないという可能性が高まれば、米国債が格下げされることも予想されます。

2012年にも同様の事態がありました。この時は、年末年始の休暇を返上して議会とホワイトハウスが妥協しギリギリ間に合いました。「財政の崖」と呼ばれました。今回は「財政の崖2」もしくは「財政の崖2013年版」と言えます。

ちょっと厄介なのは、アメリカ連邦政府の年度末が9月だということです。オバマ大統領は今年春、9月末までの政府予算の大幅削減を決断しました。新予算年度の10月1日以降については、「財政の崖2」の協議次第です。

下院で過半数を握る共和党は、上限の引き上げで合意するには、オバマ政権が予算を一段とカットすることが条件だと主張しています。さらに、オバマケアと呼ばれる医療改革制度の改革を遅らせることも求めています。これに対しオバマ大統領は「債務上限に関しては交渉の余地がない」としています。ホワイトハウスと議会の見解の違いは大きく、難航することは必至です。

「財政の崖1」の際は、不透明感が強まりマーケットが混乱しました。今回も株式、米国債、ドル相場に大きく影響する可能性があります。夏の休会から戻る来週以降のアメリカ議会の動きが注目を集めています。

[AUGUST 27, 2013] No 0105352

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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