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2013/08/17「常識シリーズ44」英語が出来ないから銀行助かった?


知人のロシア人はテキサス州の大学で経営を学んでいる。ファッション関係のビジネスを展開する彼女は、加えてフランス語の単位もとっている。ただ、彼女は「フランス語を勉強するのがバカらしくなった」と語っている。パリを訪れた際、フランス語で話しかけるといつも英語で答えが返ってくるからだ。

かつてと比べ、非英語圏のフランス人やイタリア人の英語力は格段に伸びた。データはないが、イタリアの地方を訪れても90%以上の確率で英語が通じる。しかもネイティブに近い完璧な英語が多い。ドイツ人や北欧の人は以前から英語が流暢だ。

 日本の麻生太郎副総理兼財務相は6月28日、読売新聞主催の講演の中で、日本の銀行が米国のサブプライム問題と欧州の債務危機をうまく免れたのは、日本人経営者の英語力の低さにあると指摘した。 

「ヨーロッパの銀行がサププライム・ローンなど怪しげな商品にひっかかった」とした上で、「日本の銀行は健全だといった米国人がいたが、それは間違っている。日本の銀行経営者はほとんど英語がわからず、それでひっかからなかった」と麻生氏は続けた。米国を代表する経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルが詳しく伝えた。

ジャーナルの記者が日本の3大銀行にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

日本人は英語が下手。外国人の英語力のテストであるTOEFLの平均スコアは、アジア30カ国中で日本は最下位から2位だった。2005年は最下位だった。

日本人と並んで英語が下手とされた韓国人の英語力は過去10年で急速に伸びた。2005年のTOEFLスコアでアジア30カ国中18位だった韓国は、2009年に8位に上がった。韓国は1997年の通貨危機を経験し、国民に広がった危機感をバネに英語教育熱が高まった。

フランス人やイタリア人の英語力が伸びたのは、EU統合で域内の人、モノ、サービスの移動が自由になったことで危機感が強まったことが多少は影響しているのではないか。少子高齢化が世界で最も進む日本の企業が成長するためには、海外への市場拡大が欠かせない。麻生財務相の指摘は、ブラックユーモアというより危機感の喚起を狙ったものかもしれない。

[AUGUST 16, 2013] No 0105345

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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